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アイテム
ラット胎子膵島細胞の分化に関する研究 : 特に母体副腎皮質ホルモンによる影響
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3817
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3817e9e504dd-a431-4cc0-b0a7-5c041c0e0741
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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diss_dv_kou0078 (33.9 MB)
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diss_dv_kou0078_jab&rev (312.5 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2013-11-26 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | ラット胎子膵島細胞の分化に関する研究 : 特に母体副腎皮質ホルモンによる影響 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者 |
小松, 克
× 小松, 克 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | ラット胎子膵臓において、免疫組織化学的にはA細胞が最も早く胎齢11日に出現し、B細胞は胎齢14日およびD細胞は胎齢17日に出現するという(Fujii,'79)。Yoshinari & Daikoku('82)によるとA細胞は胎齢11日、B細胞は胎齢12日、そしてD細胞は胎齢15日に出現する。これらの実験において、膵島ホルモン含有細胞の出現時期に若干の違いはあるが、ラットの膵島内分泌細胞はA細胞、B細胞、D細胞の順に出現するようである。このように膵島細胞は胎生のかなり早い時期から出現し発育するようであるが、この膵島細胞の分化を調節する因子は本質的には分かっていない。McEvoy & Hegre('76)によると、種々のステロイドホルモンのうち、副腎ステロイドを培養液に添加して胎齢20日のラット膵臓を器官培養し、培養液へ分泌されるアミラーゼおよびインシュリンを測定した。この実験において、副腎ステロイドは培養膵臓のアミラーゼ分泌を刺激し、逆にインシュリン分泌を抑制した。さらに副腎ステロイドであるコルチコステロンは、培養液に加える濃度によってはインシュリン分泌を促進するという(McEvoy et al.,'76)。インシュリン分泌を促進するコルチコステロン濃度は、胎齢18日の膵島のA細胞からのグルカゴン分泌を抑制(McEvoy,'80)し、そして胎齢22日の膵島のD細胞からのソマトスタチン分泌を促進している(McEvoy et al.,'81)。このように副腎皮質ホルモンは胎生期の膵島あるいは膵島細胞の発達に促進的か抑制的か、いずれかの方向で影響を及ぼすものと考えられる。そこで本研究は、ラットにおける膵島細胞の分化を明確にするとともに、それに対する母体副腎皮質ホルモンの役割を明らかにすることを目的とし、次のような実験を行った。 1) 第一章においては、膵島細胞の分化を光学顕微鏡および電子顕微鏡的に観察するとともに、特に最近の高感度免疫組織化学的方法によって検討した。ラット胎子において膵島原基は胎齢11日から12日の間に前腸から膨出して形成されるので、妊娠11~21日に母体を剖検し、光学顕微鏡的観察としては、パラフィン切片を作成し、ヘマトキシリン-エオジン染色、あるいは各膵島ホルモンに対する抗血清(抗インシュリン血清、抗グルカゴン血清、抗ソマトスタチン血清)を用いて、感度の高いAvidin-biotinylated peroxidase complex法で免疫染色を行った。電子顕微鏡的観察としては常法にしたがい超薄切片を作成し観察した。 胎齢12日では膵島原基と思われる構造が確認され、胎齢13日になると膵島原基が膵臓外分泌部と明らかに区別された。膵島原基の数は胎齢15日まではあまり増えなかったが、胎齢16日以降、外分泌部の分泌管上皮から多数の新しい膵島原基が出芽し始め、膵島原基の数は劇的に増加し、大きさも増した。胎齢20日になると一部の膵島は成体の膵島と同様の形態を示すようになった。 免疫組織化学的に胎子膵臓を観察すると、A細胞が最も早く、胎齢11日に検出された。そして胎齢12日になるとB細胞およびD細胞が出現した。胎齢13~16日の間、膵島細胞の大部分はA細胞であった。胎齢14日以降、外分泌部の分泌管の数は増え、それに伴い分泌管上皮細胞からB細胞が新生され、B細胞の数は激増した。 胎齢18日になると膵島細胞のうち、B細胞が最も多くなり、膵島内の局在性はB細胞が膵島の中心を占めるようになった。そしてA細胞およびD細胞が膵島の周辺に位置していた。 電子顕微鏡的観察により胎齢13日では各膵島細胞の同定は困難であったが、胎齢14日になると、同定できる膵島細胞の数は少ないが、B細胞とA細胞の同定ができた。胎齢が進むにつれ、各膵島細胞は顆粒の数が増え、胎齢21日になると、成体の膵島で見られるような特徴的な形態を示すようになった。 2) 第二章においては、本研究の主目的として、膵島細胞の初期分化に対する母体の副腎皮質ホルモンの役割を検討するため、妊娠6日に母体の副腎を除去し、胎齢12~16日の胎子膵島の発達を免疫組織化学的に観察した。胎子の連続切片は第一章と同様の抗血清を用いて免疫染色し、各膵島細胞の体積を計測あるいは細胞数をカウントした。 母体の副腎を除去すると胎齢12~15日の胎子膵島インシュリン陽性細胞の総体積は減少した。この減少は副腎を除去した母体へコルチコステロンを連日投与することにより阻止された。グルカゴン陽性細胞に対しては、母体の副腎除去は胎齢14日のみ、胎子膵島グルカゴン陽性細胞に対しては、母体の副腎除去は胎齢14日のみ、胎子膵島グルカゴン陽性細胞の総体積を増加させた。ソマトスタチン陽性細胞総数は母体の副腎除去による影響を受けなかった。これらの所見は、妊娠初期の母体の副腎除去は、胎子膵島インシュリン陽性細胞の初期分化を抑制し、その主な要因は母体由来の副腎皮質ホルモンの欠損であることを示唆している。また母体の副腎除去はインシュリン陽性細胞に対する影響とは異なり、グルカゴン陽性細胞およびソマトスタチン陽性細胞の分化には関与しないと思われる。 3) 第三章においては、母体副腎皮質ホルモン欠如の下での胎子膵臓におけるグルココルチコイドレセプターの局在について観察した。妊娠15日に剖検し、胎子膵臓を取り出した。胎子膵臓からタンパクを抽出し遠心後、上清を採取した。上清を7.5%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動した後、ニトロセルロース膜上に転写した。転写したニトロセルロース膜上のタンパク質を同定するため、抗グルココルチコイドレセプター抗体を用いてイムノブロットを行った。その結果、胎齢15日の胎子膵臓は、微量ではあるが約97kDaのグルココルチコイドレセプターを持っていることが明らかとなったので、引き続き胎子膵臓がいつから、膵臓のどの部位にグルココルチコイドレセプターを持っているのかを免疫組織化学的に検討した。胎齢12~14日の胎子膵臓を4%パラホルムアルデハイドで固定し、抗グルココルチコイドレセプター抗体を用いて免疫染色した。その結果、ラット胎子膵臓は、胎齢12日にすでにグルココルチコイドレセプターを持っていた。グルココルチコイドレセプターは主に膵島細胞の核内に存在した。次いで胎子膵臓のグルココルチコイドレセプター量は母体の副腎除去の影響を受けるかどうかを調べるため、胎齢15日の胎子膵臓ならびに母体の膵臓を用いてウエスタンブロット法および免疫染色を行った。妊娠6日目に副腎を除去した母体の膵臓のグルココルチコイドレセプター量は、コントロール群に比べて減少していた。この減少はコルチコステロンを投与することにより阻止された。しかし胎齢15日の胎子膵臓グルココルチコイドレセプター量はコントロール群と差は見られなかった。これらの所見から、ラット胎子膵臓は胎齢12日にすでにグルココルチコイドに対するレセプターを有していることが証明されたので、胎子膵臓の発達には母体由来のグルココルチコイドが関与している可能性が示唆された。 これらのことから以下の結論が得られた。1) ラット胎子膵臓において、免疫組織化学的にA細胞が胎齢11日に、B細胞およびD細胞が胎齢12日に初めて出現した。2) 母体の副腎皮質ホルモンは、胎子膵島インシュリン陽性細胞の初期分化を維持し、グルカゴン陽性細胞およびソマトスタチン陽性細胞の分化には関与しない。3) ラット胎子膵臓は胎齢12日にグルココルチコイドレセプターを持っており、胎子膵臓の発達には母体由来のグルココルチコイドが関与している可能性が示唆された。 |
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学位名 | ||||||
学位名 | 博士(獣医学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1998-03-20 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 甲第78号 | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |