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アイテム
PI3Kδ選択的阻害剤に注目した全身性エリテマトーデス治療薬としての可能性に関する研究
https://az.repo.nii.ac.jp/records/5428
https://az.repo.nii.ac.jp/records/5428419ea54f-9e46-4acf-8ea0-8d579d9f8bd4
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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diss_dv_otsu0439 (1.9 MB)
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diss_dv_otsu0439_jab&rev.pdf (214.7 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2021-12-17 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | PI3Kδ選択的阻害剤に注目した全身性エリテマトーデス治療薬としての可能性に関する研究 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Potential therapeutic agents for systemic lupus erythematosus, with a focus on PI3Kδ selective inhibitors | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||
著者 |
金子, 洋子
× 金子, 洋子 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 全身性エリテマトーデス (Systemic lupus erythematosus; SLE) は、皮膚、関節、腎臓、肺、中枢神経に及ぶ多臓器病変を呈する自己免疫疾患である。SLEの病態は寛解と再発を繰り返す。患者の約半数はループス腎炎を発症し、そのコントロールは予後に影響する。発症の背景には、自己反応性のB細胞の活性化や、抗double stranded DNA (dsDNA) 抗体に代表される自己抗体の産生がある。 SLEの治療は、これまで長い間、ステロイド薬や免疫抑制薬に依存してきた。しかしこれらの薬剤は長期使用において様々な副作用が問題となっている。 近年、自己抗体産生抑制を目的としたB細胞の抑制がSLEの新しい創薬標的として注目されている。例えばB細胞特異的表面タンパクであるCD20を認識するモノクローナル抗体Rituximabは、SLEを適応症としたアメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration; FDA) の承認は未だ得られていないが、小規模臨床試験において、SLE患者に対する有効性が確認されている。加えて抗BAFF/BLysモノクローナル抗体であるBelimumabは、標準治療薬抵抗性のSLEを適応として、2011年、FDAの承認を受けた。一方 δで、Belimumabは、SLEの疾患活動性を表すSELENA-SLEDAI スコアを改善したが、ループス腎炎に対する作用が比較的弱く、SLEの再発予防についても有効性が十分とは言えない。そのため今後、ループス腎炎を改善し、再発を抑制できる治療薬の開発が望まれている。我々は、B細胞の活性化、増殖抑制による自己抗体の産生抑制が、ループス腎炎の改善や再発の抑制につながると考え、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ (Phosphatidylinositol 3-kinase; PI3K)に着目した研究を行った。 PI3Kは細胞膜の内側に存在する脂質キナーゼでありClass I~IIIに分類される。PI3Kδは、Class I PI3Kのアイソフォームの一つである。Class I PI3Kには、PI3Kδ、PI3Kδ、PI3Kδ、PI3Kδの4つのアイソフォームが存在し、細胞の分化、増殖、接着等に寄与している。PI3KδおよびPI3Kδはユビキタスに細胞に発現しているのに対し、PI3KδおよびPI3Kδは主にリンパ球系の細胞に発現しているため、阻害によりリンパ球系細胞特異的な増殖および活性化抑制が期待される。B細胞において、PI3KδはB細胞受容体 (B cell Receptor; BCR) の下流に、PI3KδはGタンパク質共役受容体の下流にそれぞれ存在しており、抗原依存的なB細胞の機能に重要な役割を果たしているのは、PI3Kδである。そこで我々は、PI3Kδを選択的に阻害することが、BCRシグナルの抑制、ひいては自己抗体の産生の抑制につながり、有効性と安全性のバランスのとれたSLE治療薬の創出につながると考えた。 本研究において我々は、新規PI3Kδ選択的阻害剤AS2819899 (AS) を用いて、PI3Kδ選択的阻害剤のSLE治療薬としての可能性について検討した。 第1章;PI3Kδ選択的阻害剤AS2819899 (AS) のin vitroプロファイリング 第1章では本試験で評価に用いたASのin vitroプロファイルについて検証した。ASはin vitro PI3Kδ阻害アッセイにおいて、0.29 nMのKi値を示し、他Class I PI3Kアイソフォームと100倍以上の選択性を示した。加えてClass II PI3Kアイソフォームの酵素阻害作用のIC50値は約1δM以上であり、PI3Kδ阻害作用と比較して弱いことが示された。さらにPI3K以外のチロシン/セリン・スレオニンキナーゼ28種類について、10δMの濃度において阻害作用は認められなかった。以上のことからASはPI3Kδを選択的に阻害する化合物であることが確認された。 次に、ASのB細胞及びT細胞への作用をin vitroで確認した。Major Histocompatibility Complex (MHC) class IIはB細胞において、抗原とBCRの結合により発現が亢進するため、B細胞活性化マーカーとして用いられる。健常人の末梢血B細胞において、ASは、抗IgM抗体によるBCR刺激に対するMHC class II発現を抑制し、IC50値は1.8 nMであった。また、T細胞の増殖への作用を調べるため、健常人由来T細胞を用い、抗CD3/28抗体刺激による増殖アッセイを実施した。ASはT細胞増殖抑制作用を示し、そのIC50値は55.1 nMであった。 第2章;PI3Kδ選択的阻害剤AS2819899 (AS) の抗体産生に対する作用 第1章において、PI3Kδ選択的阻害剤であるASは、B細胞のMHC Class II発現を抑制した。MHC Class II発現は、T細胞の活性化や、サイトカイン産生などを誘発し、抗体産生細胞の増殖へとつながるため、ASを2つのin vivo抗体産生モデルにて評価した。まず、T細胞非依存的抗原であるTrinitrophenylated aminoethylcarboxymethyl-Ficollを用いたマウス抗体産生モデルにて、ASを評価したところ、ASは0.3 mg/kg以上の投与量で抗体産生を抑制した。 次に、T細胞依存的抗原であるDinitrophenylated Keyhole Limpet Hemocyaninを2回免疫することによるリコール応答抗体産生モデルにてASを評価した。ASは2回目の免疫時からの投与によって、1 mg/kg以上の投与量で抗体産生を抑制した。この結果から、ASがB細胞のリコール応答についても抑制作用を示すことが明らかになった。リコール応答による抗体産生は、SLEの再発に関連すると考えられるため、PI3Kδ選択的阻害剤はSLEの再発の抑制に有効性を示すことが示唆された。 第3章;AS2819899 (AS) のマウス自然発症ループス腎炎モデルにおける評価 第2章において、ASは抗体産生を抑制した。SLEは抗dsDNA抗体などの自己抗体の産生が病態発症のメカニズムと考えられるため、ASがSLEの治療薬候補となり得ると考え、マウス自然発症ループス腎炎モデルを用いて評価した。 NZB/W F1マウスは、ループス腎炎に類似した病態を自然発症するマウスである。SLEの標準治療法であるプレドニゾロンとミコフェノール酸モフェチルの併用投与がこのマウスに対して有効性を示すことから、本モデルはヒト臨床予測性の高いモデルであると考えられる。これまでにPI3Kδ選択的阻害剤のマウスSLE病態モデルにおける報告はいくつかあるが、MRL/lpr マウスモデルや、IFN-δなどで人為的に腎炎を誘導したモデルであり、NZB/W F1マウスを用いた自然発症モデルの報告はない。今回、我々はPI3Kδ選択的阻害剤を、初めて本モデルにおいて評価し、比較的低用量まで投与することで臨床応用への可能性を検証した。ASは0.5 mg/kgからタンパク尿を抑制し、腎臓の病理検査においても1 mg/kgから糸球体硬化スコアを改善した。投与溶媒投与群では、40週齢までに50%が腎機能低下による瀕死屠殺のクライテリアに至ったのに対し、ASの0.5 mg/kg以上の投与群では、このクライテリアに至った動物はいなかった。これらの結果から、ASがループス腎炎の発症を抑制し、死亡率を改善することが示された。 一方で抗dsDNA抗体価の抑制は5 mg/kgで確認され、腎機能の改善は、より低濃度からみられたことから、本モデルにおける腎機能の改善は、単に抗dsDNA抗体価の抑制に依存していないことが示唆された。B細胞は抗体産生以外にも、サイトカインの産生等エフェクター細胞としての機能を担っており、ASによるそのような作用の抑制が腎機能の改善に寄与していることが考えられた。加えて、第1章で示された通りASは、T細胞の増殖抑制作用も有することから、T細胞の増殖抑制があることが、ループス腎炎に対する強い有効性に繋がっている可能性が示唆された。また、ASの投与により、体重や血液パラメータの顕著な変化はみられず、ASの投与による毒性の懸念は低いものと推察された。 前臨床研究におけるPK (Pharmacokinetics) /PD (Pharmacodynamics) 解析は、化合物投与後の動態や有効性のモニターを可能にし、臨床試験の推進につながると考えられる。第1章でASは抗IgM刺激によるB細胞上のMHC class II発現をin vitroで抑制したため、この指標をPDマーカーとして使用できるのではないかと考え、検証した。マウスにASを投与し、経時的に採取した血液をex vivoにおいて、抗IgM抗体で刺激し、B細胞上のMHC class II発現を測定した。その結果、ASの投与により、B細胞のMHC class II発現の抑制が確認され、抑制作用は化合物の血中濃度と相関していた。以上の結果から末梢血B細胞MHC class II発現はPDマーカーとして使用できる可能性が示唆された。 総括 新規PI3Kδ選択的阻害剤であるASは、抗体産生抑制作用を有し、マウス自然発症ループス腎炎モデルにおいて、ループス腎炎の発症を抑制した。この結果から、PI3Kδ選択的阻害剤は、ループス腎炎にも有効なSLE治療薬の候補になることが示唆された。加えて、マウスを用いた抗体産生モデルにおいて、ASがリコール応答による抗体産生を抑制したことから、PI3Kδ選択的阻害剤は、SLEの再発抑制に効果を示す可能性が示唆された。また末梢血におけるB細胞上のMHC class II発現を確認することで、化合物投与後の薬効のモニターが可能であることを見出し、この指標をPDマーカーとして用いることは、臨床試験の効率化、安全性の確保に繋がると考えられた。 |
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Abstract | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | Systemic lupus erythematosus (SLE) is a chronic systemic autoimmune disease which causes dysfunction of multiple organ systems with a relapsing-remitting course. About fifty percent of SLE patients develop lupus nephritis (LN), which affects the prognosis of SLE. In particular, autoreactive B cell activation and anti-double stranded DNA (dsDNA) antibodies play a crucial role in the development of LN. For many years, therapies for SLE have been based on broad-spectrum immunosuppression, including corticosteroids and immunosuppressants, which often induce moderate to severe side-effects upon long-term use. In recent years, therapeutic methods which suppress B cells have attracted attention as potential treatments for SLE. Rituximab, which targets the B cell surface protein CD20, has been reported to show efficacy for SLE in minor clinical studies. However, rituximab has not been approved for SLE by the Food and Drug Administration (FDA). Belimumab, a human monoclonal antibody to B-cell activating factor (BAFF)/B lymphocyte stimulator (BLyS), was approved by the FDA for the treatment of SLE in 2011. Belimumab shows significant therapeutic effects in the treatment of active autoantibody-positive SLE patients who do not respond to conventional therapies. However, the effects of belimumab are considered modest, especially in LN. In addition, belimumab reduces SLE disease activity but not flares. Therefore, additional effective therapies for SLE which can lead to improving LN and reducing flares are worth exploring. Here, we hypothesized that suppression of activating B cells and autoantibody production would lead to an improvement of lupus nephritis and suppression of flare, and conducted a study focusing on phosphatidylinositol 3-kinase (PI3K) δ. The PI3Ks are the lipid kinases involved in intracellular signal transduction. The PI3Ks are divided into three classes, Class I – III. PI3Kδ is one of the Class I PI3K isoforms. Class I PI3K contributes to cell differentiation, proliferation and adhesion, and is classified into four isoforms: PI3Kδ, PI3Kδ, PI3Kδ, and PI3Kδ. While PI3Kα and δ are ubiquitously expressed, PI3Kδ and γ are mainly expressed in lymphocytes. Inhibition of PI3Kδ and δ is expected to suppress lymphoid cell-specific proliferation and activation. In B cells, PI3Kδ is activated by B cell receptor (BCR) stimulation, while PI3Kδ is activated by G protein-coupled receptors. PI3Kδ plays an important role in antigen-dependent B cell activation. Therefore, we hypothesized that PI3Kδ-selective inhibition may be a promising treatment option for SLE in terms of balancing efficacy and safety. In this study, we investigated the potential of PI3Kδ selective inhibitors as therapeutic agents for SLE using the novel PI3Kδ selective inhibitor AS2819899 (AS). Chapter 1: In vitro profiling of the PI3Kδ selective inhibitor AS2819899 In this chapter, we examined the in vitro profile of AS2819899 (AS). AS inhibited the activity of human Class I PI3K enzymes. The Ki value of AS for PI3Kδ was 0.29 nM, which was about 100 times more potent than that for the other Class I PI3K isoforms. In contrast, the IC50 of AS for inhibition of Class II PI3K isoforms was about 1 δM or more, which was weaker than the PI3Kδ inhibitory effect. Further, kinase panel assays against 28 serine/threonine and tyrosine kinases other than PI3K revealed that AS had no inhibitory activity for any of these kinases at 10 μM. These results show that AS is a potent and selective inhibitor of PI3Kδ. Since PI3Kδ is mainly expressed in lymphoid cells, the effect of AS on B cells and T cells was confirmed in vitro. Major Histocompatibility Complex (MHC) class II is expressed on the surface of B cells, and its expression level is upregulated by B-cell activation via BCR crosslinking in vitro. Therefore, the expression level of MHC class II can be used as a biomarker of B-cell activation. We investigated the effect of AS in anti-IgM antibody-induced upregulation of MHC class II in human and murine B cells. AS suppressed the expression level of MHC class II in a concentration-dependent manner, with an IC50 value of 1.8 nM on human B cells. To examine whether AS inhibits T cell proliferation, we examined the effect of AS on anti-CD3/CD28 antibody-induced proliferation of human peripheral blood-derived T cells in vitro. AS suppressed anti-CD3/CD28 antibody-induced proliferation of human T cells with an IC50 value of 55.1 nM. Chapter 2: Effect of the PI3Kδ selective inhibitor AS2819899 on antibody production In Chapter 1, the PI3Kδ selective inhibitor AS2819899 (AS) suppressed MHC class II expression in B cells. Since MHC class II expression induces T cell activation and cytokine production, leading to proliferation of antibody-producing cells, we examined AS in two antibody production mouse models in vivo. For T-cell-independent antibody production, we examined the effect of AS in the Trinitrophenylated aminoethylcarboxymethyl-Ficoll (TNP-Ficoll) -induced antibody production mouse model. Four days after immunization with TNP-Ficoll, groups treated with AS above 0.3 mg/kg b.i.d. showed significant suppression of anti-TNP IgM production compared to the vehicle-treated group. For memory recall reaction in T-cell-dependent antibody production, we examined the effects of AS in the Dinitrophenylated Keyhole Limpet Hemocyanin (DNP-KLH) -induced antibody production mouse model. Treatment with AS above 1 mg/kg significantly suppressed the AUC of anti-DNP-IgG in a dose-dependent manner. These results suggest that AS suppresses T cell-dependent memory recall antibody production. Given that memory recall response is considered to be involved in the flare of SLE, these findings indicate that PI3Kδ-selective inhibitors might be effective in suppressing SLE flare. Chapter 3: Effect of AS2819899 in a NZB/W F1 mouse lupus-like nephritis model In Chapter 2, AS2819899 (AS) suppressed antibody production. Since the production of autoantibodies such as anti-dsDNA antibodies is considered to be the mechanism of pathogenesis in SLE, AS is considered to be a potential therapeutic drug candidate for SLE. We evaluated AS in a NZB/W F1 mouse lupus-like nephritis model. NZB/W F1 mice develop lupus-like phenotypes that resemble SLE in humans. Treatment with prednisolone plus mycophenolate mofetil (standard therapy for SLE) is efficacious in this mouse model. These findings suggest that the NZB/W F1 mouse model has high clinical predictability. A few reports have evaluated PI3Kδ-selective inhibitors in several SLE models. However, these reports are about MRL/lpr mouse model and artificially IFN-δ accelerate mouse model, no reports have evaluated PI3Kδ-selective inhibitors in a spontaneous NZB/W F1 mouse model. Therefore, we evaluated the effect of AS in a NZB/W F1 mouse model at various doses to predict its efficacy in clinical settings. Treatment with AS at more than 0.5 mg/kg ameliorated proteinuria excretion, and at more than 1 mg/kg improved the glomerular sclerosis score in histopathological examination of the kidney. No animals treated with more than 0.5 mg/kg of AS met the cessation criteria regarding kidney failure. These results suggest that AS has a strong suppressive effect against lupus-like nephritis, resulting in an improved survival rate in this model. On the other hand, suppression of anti-dsDNA antibody titer was confirmed only at 5 mg/kg, while improvement of renal function was observed from a lower dose. These results suggest that the AS-mediated improvement in renal dysfunction may not be completely due to a reduction in anti-dsDNA IgG production. Since B cells play a role as effector cells, such as in cytokine production, the suppression of such function by AS may contribute to the improvement of renal function. In addition, as shown in Chapter 1, AS inhibited anti-CD3/28 antibody-induced human T cell proliferation; this effect may also contribute to the strong efficacy of AS for lupus nephritis. In this study, no significant changes were observed in body weight or blood cell parameters due to the administration of AS. These results suggest that there is little cause for concern about toxicity due to the administration of AS. PK (Pharmacokinetics) / PD (Pharmacodynamics) analysis in preclinical studies enables monitoring of kinetics and efficacy after compound administration, which in turn facilitates the conduct of clinical trials. As noted in Chapter 1, AS suppressed anti-IgM induced MHC class II expression on B cells in vitro. We considered that this response could be used as a PD marker. Mice were administered AS, and blood was collected and stimulated ex vivo with anti-IgM Ab. MHC class II expression was then detected on B cells, indicating that the administration of AS suppressed the expression of MHC class II in B cells. Further, this inhibitory effect was correlated with the blood concentration of AS. These results suggest that B cell MHC class II expression may be used as a PD marker. Conclusion The novel PI3Kδ selective inhibitor AS2819899 inhibited antibody production and improved lupus nephritis in a mouse spontaneous lupus nephritis model. These results indicate that PI3Kδ-selective inhibitors are candidates for effective SLE treatments for lupus nephritis. In addition, AS2819899 suppressed antibody production in a mouse memory recall antibody production model, suggesting that PI3Kδ-selective inhibitors may be effective in suppressing the flare of SLE. We also found that AS suppressed the expression of MHC class II in peripheral blood B cells in a blood concentration-dependent manner, suggesting that the expression of MHC class II on B cells in peripheral blood can be used as a PD marker for PI3Kδ inhibitors. Use of this PD marker will improve the efficiency and safety of clinical trials. |
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学位名 | ||||||
学位名 | 博士(獣医学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 32701 | |||||
学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2021-10-25 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 乙第439号 | |||||
Rights | ||||||
値 | 本論文の一部は以下のとおり公表されている。(Part of this dissertation has been published as follows.) [68] Y. Kaneko, H. Fukahori, K. Yamagami, T. Kawashima, M. Ito, M. Akamatsu, T. Marui, K. Kato, F. Takahashi, T. Morokata, Effects of AS2819899, a novel selective PI3Kδ inhibitor, in a NZB/W F1 mouse lupus-like nephritis model, International immunopharmacology 87 (2020) 106764. https://doi.org/10.1016/j.intimp.2020.106764 |
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著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 |