WEKO3
アイテム
イノシシの採食戦略に関する行動学的研究:異なる餌場条件における餌選択について
https://az.repo.nii.ac.jp/records/5191
https://az.repo.nii.ac.jp/records/5191e6bbf987-2fc4-46ef-b2f2-01ca4b65b0a3
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
diss_da_kou0070 (23.4 MB)
|
|
|
diss_da_kou0070_jab&rev.pdf (195.2 kB)
|
|
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2018-03-15 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | イノシシの採食戦略に関する行動学的研究:異なる餌場条件における餌選択について | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Behavioral study on foraging strategy of wild boars:Food choice in different feeding sites conditions | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||
著者 |
坂倉, 健太
× 坂倉, 健太 |
|||||
抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 我が国では野生鳥獣による農作物の食害が全国で発生しており、特にイノシシによる被害は深刻な問題になっている。被害発生要因の解明および被害対策の構築のために、イノシシの採食行動や採食戦略に関する知見の蓄積が必要である。イノシシの採食行動や採食戦略に関する研究は生態学的手法を用いたものがほとんどであり、農作物被害対策を目的としたイノシシの能力の解明に有用である行動学的手法を用いた研究は、少ないのが現状である。そこで本研究では、イノシシによる農作物被害発生機序についての基礎的知見を得ることを目的として、イノシシの採食戦略に焦点を当て、餌の設置位置や量、また進入する難易度などの餌場の条件の変化が、イノシシの餌選択や採食行動に及ぼす影響を調査した。実験に際し、動物の採食行動研究に有用な装置である放射状迷路を参考に、実験装置として8カ所の餌サイトがある直径920 cmの円形状の実験アリーナを構築した。イノシシは飼育管理や調教が非常に難しいため、広範囲の実験スペースに導入する実験は世界的にも非常に少なく、円形状の実験装置に導入した実験は行われていない。 そこでまず第1章では、オープンフィールド実験を行い、本実験装置でのイノシシの行動を調査した。供試個体は5頭であった。実験1から実験3まで行い、実験1ではアリーナ入口の扉下部に、実験2ではアリーナ入口の扉下部に加え、扉から50 cm離れた地点に、実験3ではアリーナ入口の扉下部と各サイト入口地点にそれぞれ餌を設置し、供試個体に自由に餌を採食させた。餌には直径約1 cmの粒状の焼き菓子を用い、以降の章の実験でも同様のものを餌として用いた。アリーナの扉は開けた状態で、1日1試行行った。実験1、実験2、実験3における総餌量は10粒、20粒、20粒であり、試行時間は2分間、3分間、5分間、実験日数は2日間、5日間、5日間であった。実験1ではほとんどの供試個体がスタートボックスから出なかったが、実験2、実験3ではスタートボックスから出てアリーナに進入した。餌の設置位置は後に行った実験ほどスタートボックスから遠ざけたが、それに伴い、イノシシもアリーナの広い範囲を移動するようになった。アリーナをスタートボックスからの距離に応じてNearエリア、Centerエリア、Farエリアと分割し、実験ごとの各エリアでの滞在割合を比較すると、Nearエリア、Centerエリアでの滞在割は、実験1よりも実験3において有意に多くなり(P<0.05)、後に行った実験ほどスタートボックスから遠い場所での滞在割合が増加した。実験2および実験3において、供試個体は慣れていて安全が確保されている場所であるスタートボックス周辺と餌が設置されている場所を行き来するという移動パターンを繰り返した。また、供試個体はアリーナ前方エリアでの滞在割合が大きく、スタートボックスが完全に見えなくなるアリーナ後方エリアでの滞在割合は小さかった。実験3において足を滑らせた個体は、それ以降の試行でスタート潜時が長くなり、移動する範囲が制限された。これらのことから、新規環境におけるイノシシの餌の採食や移動する範囲、滞在場所は、餌の存在や設置位置、餌と安全が確保されている場所との位置関係、そして危険な状況を経験した場所に対する警戒心の強さの影響を受けることが示唆された。 第2章では、各サイトの中に餌を設置して実験1から実験3まで行い、実験ごとにサイト内の餌の設置位置や量を変えることで、それらが一定の大きさに仕切られた場所へ進入する際のイノシシの行動と警戒度に及ぼす影響について調査した。供試個体は4頭とし、すべての実験は1日1試行行った。実験1における餌量は各サイト2粒、または3粒とし、餌の設置位置を徐々にサイトの奥に移動させた。実験開始時はアリーナ扉を開けた状態で行い、試行時間は扉を開けてから5分間としたが、最終的にはアリーナ扉を閉め、試行時間を供試個体がスタートボックスを出てから5分間に変更した。しかし、供試個体はサイト内の餌を採食することへの動機付けが低く、実験1を終了した。実験2では各サイトに設置する餌量が多い条件と少ない条件を交互に提示し、供試個体の行動を比較した。両条件の餌量はそれぞれ30粒と3粒であった。アリーナ扉は閉めた状態で行い、試行時間は供試個体がスタートボックスを出てから5分間とした。餌量が多い条件では、供試個体のサイト内の餌を採食することへの動機付けが高まり、試行を行うごとに全サイトでの採食数が増加し、サイトのより奥にある餌を採食するようになった。また、全身がサイト内に進入した回数も増加した。一方餌量が少ない条件では、サイトの最も奥にある餌を採食するかは個体によって異なっていた。餌量が少ない条件でサイトの最も奥にある餌を採食しなかった個体は、同じ餌量をサイトに設置していた実験1においても同様に最も奥にある餌を採食しなかった。これらのことから、餌量の違いがイノシシのサイトへの進入やサイト内での採食に影響を与え、餌量が多い場合は、その餌への興味や餌を採食する動機付けがサイト内に進入することへの警戒心を上回ることが示唆された。実験3では、各サイトの餌量を30粒とし、餌の設置位置を徐々に各サイトの奥にあるトレーの上に移動させた。アリーナ扉は閉めた状態で行い、試行時間は供試個体がスタートボックスを出てから5分間としたが、供試個体は時間内に全ての餌を採食しなかった。供試個体はサイト内の餌を1回目の進入時にすべて採食することは少なく、サイトの手前にある餌を採食した後、他のサイトへと移動し、2回目以降の進入時にサイト内のより奥にある餌を採食するというパターンが多かった。試行時間を10分間に変更すると、4頭中3頭が時間内に全ての餌を採食した。 第2章では、試行内で供試個体に提示した餌量は各サイトですべて同じであり、試行間で提示する餌量を変化させた。そのため、多量の餌と少量の餌を同時に提示した際にイノシシがどのようにそれらの餌を採食するかは明らかになっていない。そこで第3章では、2カ所の餌場に異なる量の餌がある時のイノシシの採食戦略について、2カ所のサイト内に設置する餌の量や配置を変化させ、イノシシの採食順序と行動を調査した。供試個体は第2章の実験3で餌を完食した3頭としたが、そのうちの1頭は馴致段階で実験装置を警戒する行動を示したため、2頭のイノシシを実験1および実験2に供試した。実験では、左右両端にあるLサイトとRサイトの2カ所に量の異なる餌を設置し、イノシシに自由に採食させた。両実験は1日につき1セッション行い、1セッションを5試行とした。1試行でアリーナ内に設置する総餌量は60粒とし、それを2カ所餌サイトに分配して設置した。設置する餌量の組み合わせは、第2章で設定した30粒を基準に、50粒と10粒、40粒と20粒、35粒と25粒に加え、両サイトの餌量に差がない30粒と30粒の4組とした。各餌量の組み合わせにつき2セッション行った。両実験は合計8セッション(4組 × 2セッション)ずつ行った。同じ餌量の組み合わせにおいて、先に行う第1セッションと後に行う第2セッションで多量の餌と少量の餌を設置するサイトを反転させた。実験1ではトレー上に横一直線に餌を配置し、実験2では横列だけでなく縦列にも餌を配置した。実験1では、イノシシは餌量の差に関係なく右側のRサイトへの偏向性、または右側のRサイトで先に餌を採食する傾向が認められた。実験2では、実験1で認められた右側のRサイトへの偏向性や傾向がなくなり、餌量の差が大きい50粒と10粒の餌量の組み合わせにおいて多量の餌を優先的に採食する傾向が認められた(P = 0.06)。また、個体Bでは、実験1よりも実験2において、多量の餌を先に採食した試行数が多い傾向が認められた(P = 0.06)。これらの結果から、イノシシは餌量の差が明らかに大きい場合は量の多い餌を優先して採食するが、差があまりない場合は餌量に関係なく採食すること、また餌の配置によって餌量の差が明確になることが示唆された。 実際の農作物被害現場において、防護柵設置の有無や、防護柵の設置方法などの違いにより、イノシシにとって侵入する難易度が農地によって異なると考えられる。そこで第4章では、2カ所サイトに餌を設置し、そのうちの一方にのみ障害物を設置することでサイトに進入する難易度を変化させ、それがイノシシの採食順序と行動に及ぼす影響を調査した。供試個体は2頭とし、実験1および実験2を行った。障害物には目合が5 cm、線径が3.2 mmの鉄製溶接金網を使用した。実験1では左右両端にあるLサイトとRサイトの2カ所に同量の餌を設置し、そのうちの一方のサイトの入口に、金網を防護柵のように立てて設置した。障害物の高さは10 cm、30 cm、50 cm、70 cmの4段階とし、最も高さが低い10 cmのものから順に提示した。10 cmの障害物はRサイトに設置し、それ以降はセッションごとに障害物を設置するサイトを反転させた。1セッションは20試行とし、1日1セッション、各高さの障害物につき1セッションずつ行った。試行時間は1分半とした。障害物を越えて餌を採食した試行数が20試行中4試行以下だった場合、その高さの障害物で実験1を終了し、実験2に進んだ。実験2は実験1と同様の手順で、LサイトとRサイトの2カ所に50粒と10粒の量の異なる餌を設置し、餌量の多いサイトの入口に、実験1を終了した高さの障害物を設置して行った。実験1において、高さ10 cmの障害物を提示した際、供試個体は最初の試行で障害物に接触することはなく、離れた位置から障害物を設置したサイトに対して探査行動、または警戒行動を示したが、試行を重ねると探査行動や警戒行動を示さなくなり、障害物を素通りして餌を採食するようになった。したがって、イノシシは、環境の変化や新奇物に対して敏感に反応するが、その後、急激な慣れが生じることが示唆された。個体Aは50 cm、個体Bは30 cmの障害物を提示した際、障害物を超えて餌を採食したのが1試行のみであったため、実験1を終了した。また実験2では、供試個体は障害物を越えることはなかった。これらのことから、イノシシは進入可能な餌場であっても、餌場に進入する難易度が高い場合は、餌を採食するために進入しないことが示唆された。またイノシシは、餌の量や障害物の高さに関係なく、最初に障害物のないサイトに接近し、そのサイトの餌を採食する試行が多かった。今回の実験では障害物を越えなくても必ず一方のサイトで採食することができたため、イノシシは障害物を越えなかった可能性も考えられた。 本研究の結果から、餌の存在と位置はイノシシの行動範囲に影響を与え、餌の量が多いということが、イノシシにとって相対的に価値が高く、イノシシによる餌場選択の決定要因になることが示唆された。しかし、イノシシはすべての実験を通して、餌周辺の環境に慣れていない状況、また餌場への警戒心が強い状況においては餌を採食しなかったことから、イノシシは採食の際には確実に獲得可能な餌を先に採食するという戦略を取ると考えられた。また、農作物被害対策における環境管理の重要性も示唆された。これらの成果が、科学的基礎知見に留まらず、イノシシによる農作物被害発生機序の解明を通じて、ヒトとの間に生じる様々な軋轢問題の解決に活かされることを期待する。 |
|||||
Abstract | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | In the country of Japan, there have been increasing in crop damages by the wildlife throughout the nation and especially, the significant damages posed by wild boars are serious problems. In order to determine the cause of damages and to structure damage control system, accumulating knowledge about foraging behavior and theory of wild boars are essential. As most of the studies about these behaviors are analyzed by ecological method, in our study, we approached it by focusing on their foraging theory/strategies with ethological method in order to obtain comprehensive knowledge on causality of crop damages. Our experiments were conducted to see how wild boars are affected in situations by positioning food differently, placing different amounts of food, and changing difficulty levels for wild boars to get in a feeding site. For the experiment, we built a circular arena (Diameter: 920 cm) with eight partitioned feeding sites based on the radial maze, which is often used as a practical apparatus for the study of animal behaviors. Since it is very difficult to raise and train wild boars, very few experiments in a wide range of experimental space were reported worldwide and no experiments in a circular apparatus informed. First of all, in Chapter 1, we investigated how they behave in a circular arena in outdoor test field. Three experiments were carried out with 5 wild boars. The food was placed at the entrance of the arena in Experiment 1, the additional food was placed at the point between entrance and each feeding site (50 cm apart from the entrance) in Experiment 2, and in Experiment 3, the food was placed at the entrance and in front of each site. Wild boars were allowed to freely eat all of given food. Mini cookies (Diameter: 1 cm) were used as food throughout all experiments. With leaving the entrance door open, one trial was done per day. The total of number of cookies were 10 in Experiment 1, 20 in Experiment 2, and 20 in Experiment 3. The duration of a trial was 2 minutes in Experiment 1, 3 minutes in Experiment 2, and 5 minutes in Experiment 3. The number of days in experiments was 2 days in Experiment 1 and 5 days in Experiment 2 and 3. Although almost every boar did not go out of the start box in Experiment 1, they came out of the box and entered the arena in Experiment 2 and 3. As we moved the food gradually away from the start box in the latter experiments, they became to move around inside the arena. Depending on the distance from the start box, we divided 3 areas called as Near, Center, and Far area. In Experiment 3, wild boars spent more time in Near area and Center area than in Experiment 1 (P<0.05). As the latter experiments went, the time spent in areas far from the start box increased. In Experiment 2 and 3, wild boars showed a pattern of behavior going back and forth between the secured start box and the point where the food was placed. They spent more time in a forward semicircle area than a backward area, where they cannot see the start box at all. One of individuals tripped in Experiment 3 spent a longer latent time and its range of movement was limited in the latter trials. It is shown that wild boars are cautious about the distance between a feeding site and a secured area, and they increase their security vigilance against the place where they experienced a danger once. It is reasonable to suppose that the time spent for foraging behaviors (e.g.; a range of movement and duration of staying in the feeding site) in a new circumstance are affected by geographical factors and their strong vigilance. Next, in Chapter 2, we conducted Experiment 1 through Experiment 3 with placing the food in all divided feeding sites to see how they behave and how much of vigilance they will show when they enter the divided sites by gradually changing the amount of food and the location of the food. Four wild boars are used as a test animal and a trial was done per day. The amount of food in Experiment 1 was 2 or 3 cookies in each site and those were gradually moved to the far end of feeding site. In the beginning of the experiment, a trial had done for 5 minutes since the start box opened with leaving the entrance door open. Eventually, the door was closed and a trial was done for 5 minutes after a wild boar went out of the start box. As they did not show their motivation to eat the food in any sites, Experiment 1 was quit. In Experiment 2, we placed 2 different amounts of food in the sites. For a large amount of food, 30 cookies were placed and only 3 cookies were put for a small amount of food. The entrance door was closed and the duration of a trial was 5 minutes after a wild boar went out of the start box. When the large amount of food was placed, they became more motivated to eat food. As the trials went, they ate more food at all feeding sites. They finally ate food at the far end of feeding sites and the number of times their whole body entered in the site was increased. On the other hand, when a small amount of food was placed, depending on boars, one of them ate the food at the far end of the site. In the smaller amount of food setting, the wild boar, which did not move to the end of site, did not enter the site neither in Experiment 1. In other words, it indicates that the difference in the amount of food has an effect on their behaviors entering the sites and eating food, and the strong interest/motivation for eating decreases their vigilance when a large amount of food placed. In Experiment 3, we placed 30 cookies in every site and gradually moved them closer to the food tray at the far end of the site. A trial started right after a boar came out of the start box for 5 minutes with the entrance door closed. No wild boars finished eating food within a setup time. They ate at the near side, then move to other sites, but did not eat up all food for the first approach. After the second approach, they showed a pattern of moving to eat at the far end of site. When the duration of a trial was changed to 10 minutes, 3 out of 4 wild boars finished eating all food. Furthermore, as the same amount of food was placed at all sites in each trail in Chapter 2, we investigated to see their foraging strategy and how they choose when the different amounts of food placed in two places at the same time in Chapter 3. By changing the amount of food and locations of the food, we studied how wild boars show a pattern of eating behavior. The trainings started with 3 tested animals, which finished eating all food in Experiment 3 in Chapter 2 but, one of them dropped out as it got more cautious against the experimental apparatus during trainings. In two experiments, completely trained 2 individuals were allowed to eat freely at two feeding sites with different amounts of food on the left and right ends in a semicircle. Both experiments had a session per day and a session consist of 5 trials. In each trial, 60 cookies in total were used and were split in two sites on the basis of 30 cookies used in the previous chapter. Four combinations of difference in the amount of food were setup and the split ratios were 50 to 10 cookies, 40 to 20 cookies, 35 to 25 cookies, and 30 to 30 cookies. Each of combinations was placed twice in the first and second session. For the second session, the sites were swapped. One experiment has 8 sessions in total (4 combinations x 2 sessions). In Experiment 1, the cookies were placed in a horizontal row in a food tray, and in Experiment 2, those were aligned both in columns and rows on a grid. In Experiment 1, wild boars showed the preference to move to right side or to eat at the site on the right (R site), regardless of the number of cookies. In Experiment 2, they did not show the same preference in the previous experiment and showed the tendency to eat a larger amount of food with a biggest different combination of 50 to 10 (P=0.06). Also individual B tended to choose first a larger amount of food more than in Experiment 1 (P=0.06). For these results, it is clear that wild boars choose and eat a larger amount of food when the difference is obviously big, and they eat regardless of the amount of food when the difference is small or not obvious. It is also found that positioning food in a different way makes them recognize differences in the amount of food. Lastly, in the real damaged agricultural field, various damages have been seen depending on the field with or without fences and the ways the fences were built. In the Chapter 4, the food was placed in two places with and without fences by changing the level of difficulties. We investigated how it affects on a pattern of eating behaviorof wild boars in situations and two experiments were conducted with two tested animals. A fence made of welded iron wire mesh (mesh size: 5 cm, gauge/diameter of wires: 3.2 mm) was used as an obstacle. In Experiment 1, we placed the same amount of food in two sites at both ends in a semicircle (L site is on the left end, R site is on the right end) and then put a fence at the entrance of one of sites. We setup 4 different heights of the fences, which were 10 cm, 30 cm, 50 cm, and 70 cm. The fences were put in ascending order. For the first, a 10 cm-tall fence was placed at R site, and then switched sites in alternate shifts per session. A session per each height of fences was done a day and a session has 20 trials. The duration of each trial was 1.5 minutes. When the number of times that wild boars were able to move over the fence and eat food was less than 4 out of 20 trials in the same height, Experiment 1 was finished then we proceeded to Experiment 2. In Experiment 2 was conducted by the same way as Experiment 1 but, the different amounts of food were placed in two sites, 50 cookies in one site and 10 cookies in the other site. Also we put a fence at an entrance of site with a larger amount of food. When the first trial with a 10 cm-tall fence was placed in Experiment 1, wild boars stayed away from the fence showing the exploratory and vigilance behaviors. In the latter trials, these behaviors did not occur and wild boars got used to the site with fence and eat food easily. According to it, although they reacted showing their strong vigilance against a new thing and circumstance, these reactions disappeared once they quickly get along with new things. Individual A was able to move over the fence and eat food once when the height of fence was 50 cm. For individual B, it did once when the height was 30 cm. Then Experiment 1 was finished. In Experiment 2, no individuals moved over the fence at all. For these reasons, it is considered that even if there is a feeding site where wild boars can get in, they avoid entering when an obstacle exists or the level of difficulty is high. Also, regardless of the amount of food or the height of obstacles, most of the time they first approached the site with no difficulty. Especially in this study, as they were able to eat food in another site with no fences, they might not have to move over the fence for food. In conclusion, results from this study indicates that existing food and its location affect wild boar’s foraging activities, a copious amount of food has a relatively high value to them, and those can be the factors when they decide to choose a feeding site. Throughout the experiments, wild boars did not try to get food when they needed to be vigilant in an unfamiliar feeding site or its unfamiliar surroundings. It is considered that they have a foraging strategy to prioritize the food, which they can get certainly and safely. It is also suggested that the importance of environment management for the crop damage prevention. In this study, we were able to obtain and collect detailed data on a pattern of eating and foraging behavior of wild boars. We expect that these outcomes will be useful not only for collecting scientific basic knowledge but also for solving various problems conflicting between human and wildlife. |
|||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(学術) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 32701 | |||||
学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2018-03-15 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 甲第70号 | |||||
Rights | ||||||
値 | 本論文の一部は以下のとおり公表されている。(Part of this dissertation has been published as follows.) Sakakura, K., Y. Eguchi, S. Doyama, K. Uetake and T. Tanaka, The influence of the differences in the amount of food and positioning food on a pattern of eating behavior of wild boars. Animal Behaviour and Management, 54(3):113-122. 2018 |
|||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 |