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  1. 学位論文
  2. 獣医学専攻
  3. 博士論文(甲)

ラット胎子精巣セルトリ細胞の分化に関する研究

https://az.repo.nii.ac.jp/records/3824
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3824
a50cc5c1-c586-4e4b-93b9-6b95b3888fc2
名前 / ファイル ライセンス アクション
diss_dv_kou0079.pdf diss_dv_kou0079 (14.0 MB)
diss_dv_kou0079_jab&rev.pdf diss_dv_kou0079_jab&rev (300.7 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2013-11-26
タイトル
タイトル ラット胎子精巣セルトリ細胞の分化に関する研究
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ thesis
著者 佐々木, 基樹

× 佐々木, 基樹

佐々木, 基樹

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 生殖腺の原基は中腎の腹内側に、中皮(中間中胚葉由来)およびその下の間葉組織が増殖した隆起として出現する。原基は次第に、縦に長くなるとともに体腔に突出し生殖腺堤となる。その後、生殖腺堤を覆う表面上皮(中皮)は、その直下に遊走してきた原始生殖細胞(卵黄嚢の内胚葉由来)が到着すると、それを取り込んでさらに増殖肥厚し始める。ラット(Torrey, '45)やマウス(Eguchi and Hashimoto, '61)などの小型哺乳類では、増殖肥厚した生殖腺原基(皮質)の中に取り込まれた間葉由来の細胞が原基の細胞と原始生殖細胞とをいくつかの管状の集塊に仕切ることによって精細管が形成される。そしてこの表面上皮由来の細胞がセルトリ細胞に分化する(Jost, '72; Magre and Jost, '80)と言われている。このようにして分化し、そして発達するセルトリ細胞は、卵胞刺激ホルモン(FSH)によって機能的または形態的に影響を受けることが知られており、セルトリ細胞は、その細胞膜表面にFSHレセプターを保有している(Means and Vaitukaitis, '72; Means et al., '76; Orth and Christensen, '77)。セルトリ細胞は、FSHやcAMPの刺激を受けると、一時的に形態を変化させることが報告されている(Spruill et al., '81)。また、Orth('84)は、in vitroで胎齢19日のセルトリ細胞の細胞分裂に対して、FSHが促進的な効果を持つと報告している。しかし、ラット胎子セルトリ細胞に対するFSHの影響に関しては、詳細は示されていない。
 そこで、本研究は、ラット胎生期のセルトリ細胞に対するFSHの作用について、(1)FSHによる細胞骨格と細胞接着の変化、(2)FSHによる細胞分裂の促進、(3)cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)の関与、この三点について明らかにすること主目的とした。そのためにラット胎子精巣を器官培養法を用いることによって以下のような実験を行った。
 第一章においては、セルトリ細胞の分化発達に伴う形態的な変化を細胞の形、細胞内の2種の中間径フィラメント(サイトケラチン、ビメンチン)の分布、細胞接着分子の分布に注目して観察するとともに、FSHがどの様な作用を及ぼすかについて検討した。
 ラット胎子精巣を器官培養とすると、胎齢15日では、中間径フィラメントであるサイトケラチンはセルトリ細胞の基底側に多く存在しているが、胎齢16日になると、サイトケラチンの存在部位が核の周囲に広がり、胎齢17日では、精細管内腔へ向かって伸長する細胞質内に円錐状に存在していた。また、同じ中間径フィラメントのビメンチンは、セルトリ細胞の基底側に存在していたものが核の周囲へと次第にその局在性を変えていた。FSHを添加して培養した場合、胎齢16日のラット胎子精巣においてのみ、セルトリ細胞の細胞質の精細管管腔方向への伸長と細胞内のサイトケラチンとビメンチンの2種の中間径フィラメントの分布の変化が促進されることが明らかになった。また、カドヘリン関連タンパク質の一つであるαカテニンの分布を調べたところ、最初はセルトリ細胞の細胞膜の直下に存在していたが、胎齢17日から18日にかけて細胞質全域に顆粒状に存在するようになり、その後、セルトリ細胞の基底部の細胞質に多く認められるようになった。FSHは胎齢17日と18日の間に大きく変化するαカテニンの分布に影響を及ぼさなかった。以上の結果から、FSHは培養条件下の胎齢16日の精巣セルトリ細胞に対して、セルトリ細胞内の中間径フィラメントの分布の変化に促進的な効果を持ち、その結果セルトリ細胞の形態的な分化を促進することが示唆された。
 第二章においては、FSHが、胎生期のラット胎子精巣の細胞分裂に影響を及ぼすかどうか、さらに、影響を与えるならば、いつ頃から影響を与えるようになるかを検討した。
 胎齢15、16、17日のラット胎子精巣をFSHを添加して器官培養し、セルトリ細胞の細胞分裂に対するFSHの影響を観察したところ、胎齢15日の精巣を培養した時のセルトリ細胞は、FSHに対して感受性を持たなかったが、胎齢16日になると、FSHによってセルトリ細胞の細胞分裂が促進された。次いで、あらかじめ胎齢16日に抗ラットFSH血清を胎子に投与して胎子体内のFSHの作用を阻害してから、胎齢17日の精巣を培養するとセルトリ細胞の細胞分裂の割合は無処置の胎子精巣のセルトリ細胞の分裂の割合に比べて減少したが、FSHを添加して培養すると分裂の割合は回復した。以上の結果から、胎齢16日と17日の間に胎子下垂体から分泌される内因性のFSHがセルトリ細胞に作用している可能性があることが示唆された。
 第三章においては、ラット胎子精巣のセルトリ細胞における、FSHの作用に対して、細胞内のPKAが関与しているかどうかを調べるために、ウエスタンブロット法を用いて、PKAのα catalytic subunitの定量を行った。また、PKAインヒビター(PKI)を用いて、PKA活性を阻害した場合のセルトリ細胞の細胞分裂の変動を観察した。
 胎齢16日のラット胎子精巣を培養すると、精巣内のPKA活性の指標となるPKA catalytic subunitの量がFSHの添加によって増加した。この結果は、添加したFSHが、胎齢16日のラット胎子精巣のcAMPを増加させることによってPKAを活性化し、その結果としてα catalytic subunitの量を増加させた可能性を示唆している。また、胎齢16日のラット胎子精巣をFSHとPKIの両者を同時に添加して培養すると、FSHだけを添加した場合よりセルトリ細胞の分裂は抑制された。以上の結果は、培養液に添加されたFSHが、セルトリ細胞の細胞分裂を促進したのは、セルトリ細胞内のPKAが活性化された結果であることを示唆している。

 以上本研究の結果から、(1)FSHは、培養条件下において胎齢16日のラット胎子精巣に対して、セルトリ細胞内の中間径フィラメント(サイトケラチン、ビメンチン)の分布の発展的変化つまり管腔側への伸展を促進した。それにより、セルトリ細胞の形態的な分化を促進することが示唆された。(2)細胞接着にかかわるαカテニンは、最初細胞辺縁にあり、次に細胞質全域に広がり、その後基底部に多く認められ、細胞接着に関わることが示唆された。(3)FSHは培養条件下において胎齢16日のラット胎子精巣のセルトリ細胞の細胞分裂に対して促進的な効果を持つことが示唆された。(4)胎齢16日と17日の間に胎子下垂体から分泌される内因性のFSHは、生体内においてセルトリ細胞に対して促進的な作用を及ぼしている可能性があることが示唆された。(5)FSHがセルトリ細胞の細胞分裂を促進するのは、セルトリ細胞のPKAが活性化された結果であることが示唆された。
学位名
学位名 博士(獣医学)
学位授与機関
学位授与機関名 麻布大学
学位授与年月日
学位授与年月日 1998-03-20
学位授与番号
学位授与番号 甲第79号
著者版フラグ
出版タイプ AM
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa
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Ver.1 2023-06-19 08:16:44.704778
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