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  1. 学位論文
  2. 獣医学専攻
  3. 博士論文(甲)

犬の椎間板ヘルニアに対するPercutaneous laser disc decompression (PLDD法)の基礎的・臨床的研究

https://az.repo.nii.ac.jp/records/3797
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3797
61a0778c-3b68-4859-a745-afc598ef1e40
名前 / ファイル ライセンス アクション
diss_dv_kou0122.pdf diss_dv_kou0122 (24.6 MB)
diss_dv_kou0122_jab&rev.pdf diss_dv_kou0122_jab&rev (359.2 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2013-10-01
タイトル
タイトル 犬の椎間板ヘルニアに対するPercutaneous laser disc decompression (PLDD法)の基礎的・臨床的研究
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ thesis
著者 崔, 詠一

× 崔, 詠一

崔, 詠一

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 従来、医学、獣医学領域における椎間板ヘルニアに対する治療法は、内科的な保存療法あるいは造窓減圧術を主体とした外科的治療法が選択されてきた。しかしながら、その病態が複雑多岐にわたることから治療法の選択が困難であり、さらには治療に対する反応が乏しい症例や治療適応外となる症例も少なくない現状にある。近年、医学領域では椎間板ヘルニアに対して低侵襲手術を望む声が多くなり、その中で最も低侵襲とされている経皮的レーザー椎間板減圧術(Percutaneous Laser Disc Decompression、PLDD法)が注目を集めている。しかし獣医学領域では、Dickeyら(1996年)、Bartelsら(2003年)による報告が2報あるのみであり、これらの報告もその手技ならびにレーザー照射条件が確立されておらず、施術に当たっては基礎的データが乏しい現状にある。
 そこで本研究では、現在、最も低侵襲性の外科的治療法とされているPLDD法の小動物臨床への応用を目的として、基礎的ならびに臨床的研究を実施した。

I. 各椎体に対するガイド針の穿刺方法の検討
 第1章では、安全にガイド針を髄核内に穿刺することを目的として、正常ビーグル成犬6例を使用し、解剖学的に形態の異なる頚椎、胸腰椎、腰仙椎の髄核内への穿刺方法について検討した。ガイド針は21G、90㎜のスパイナル針を使用し、全身麻酔下にてX線透視装置を用いて行った。
 その結果、頸椎においては、犬を仰臥位保定とし、頚部腹側から頚部大血管、気管、食道を手指で圧迫した後にガイド針を椎体まで刺入し、さらに椎間板腔の中央までガイド針を進入させる方法が最適と判断された。その際のガイド針の刺入角度は、椎体腹側の正中を基準として、左右0°~50°が最適と判断された。胸腰椎においては、犬を横臥位保定とし、X線透視下にてガイド針を棘突起に対し左右45°~60°の角度で穿刺する方法が最適と判断された。腰仙椎においては、犬を横臥位保定とし、椎体背側よりガイド針を穿刺し、脊柱管を貫通させ椎間板腔まで刺入する方法が最適と判断された。
 以上の結果から、ガイド針の刺入は、頸椎、胸腰椎、腰仙椎の3部位に分けて、それぞれ異なる刺入角度から穿刺することにより可能であることが判明した。

II. レーザーの至適照射条件の検討
 第2章では、レーザー照射の至適条件を設定するために、正常ビーグル成犬6例を使用し、ファイバーの先端出力により3W群(3例)と5W群(3例)の2群に分けて実施した。レーザーの照射条件は、照射時間を0.5秒、レーザー休止時間を2秒とし、1例につき7椎間(T11-12~L4-5)へ頭側部から順に40、50、70、100、150、200、300Jで実施した。
 評価方法は、術中の肉眼的所見、術後の神経学的検査所見と臨床症状、術後のX線、CT、MRIの各画像検査所見ならびに病理検査所見について検討した。各画像検査は術前、術直後、術後24時間、術後10日目に実施した。
 その結果、術中の肉眼的所見としてレーザーファイバーの先端部の炭化が認められたが、レーザー照射熱量との関連性は認められなかった。また、X線ならびにCT検査においては、3W群、5W群の全例において、いずれのレーザー照射熱量においても画像上に変化は認められなかった。また術前と術後における椎間幅にも有意差は認められなかった。MRI検査では、術後24時間から10日目までに3W群の100~300J、5W群の70~300Jにおいて、椎体終板から椎体骨髄にかけてT2強調画像で高信号、T1強調画像で低信号の変化が認められ、照射条件の設定上、不適切と判断された。病理組織学検査では、1部位を除くほぼ全部位の椎体骨髄に器質化が認められ、一部で線維性骨化が認められた。しかし、この変化に起因する臨床症状の変化は認められなかった。したがって、照射条件の設定上、考慮する必要性はないものと判断された。
 術後の臨床症状の変化では、5W・300Jを照射した3例中1例において患部(L4-5)の圧痛、右後肢の跛行および右膝蓋腱反射の消失が認められた。同部位の病理組織学検査では、線維輪外側、椎体終板軟骨ならびに神経根の損傷が認められ、照射条件の設定上、不適切と判断された。
 以上の結果からレーザー至適照射条件の設定は、MR画像上ならびに病理組織学的に何らかの変化が認められた照射条件を不適切と判断した。また病理組織学的では変化が認められたが、MR画像上では変化が認められず、さらに臨床所見上でも異常が認められなかった条件を適正照射条件と判断した。その結果、今回設定したレーザー至適照射条件は、3W・70J~5W・50Jが望ましいと判断された。

III. 考案したPLDD法の臨床例に対する応用
 第3章では、考案したガイド針の穿刺手技ならびに照射条件を基に実際の臨床例に応用し、その有効性について検討した。
 対象とした症例は椎間板ヘルニアと診断された犬21例で、犬種はミニチュアダックスフンド14例、ウェルシュコーギー2例、シーズー、ペキニーズ、ミニチュアピンシャー、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード各1例であった。症例の年齢は3~12歳(6.9±2.8歳)であり、雌雄差は雄10例、雌4例、去勢雄4例、避妊雌3例であった。ヘルニアのHansen分類では、Hansen typeIが9例、Hansen typeIIが12例であった。脊髄損傷のグレード分類はグレード(G)II~IVであった。また脊髄の圧迫部位は1例につき1~6カ所であった。
 術後の評価方法は、獣医師とオーナーによって行い、獣医師によるスコア評価は、臨床症状ならびに神経学的検査等を観察し、顕著な改善が認められたものを3点、顕著ではないが改善傾向が認められたものを2点、変化なしを1点、悪化を0点の4段階とした。そして、オーナーによる評価方法は、歩行状態の評価で、歩行に問題なしを2点、問題はあるが歩行可能を1点、不可能を0点とした。その他9項目を設定し、総合点を20点満点として評価した。
 獣医師による評価結果では、3点が8例、2点が10例、1点が1例、0点が2例であった。オーナーによる評価結果では、術前の平均が3.0点であったものが術後1週間では平均が11.5点と上昇の傾向が認められた。また獣医師による評価を基準に改善率を算出したところ、85.7%であった。そして、脊髄損傷のグレード分類ごとの改善率は、GIIで100%、GIIIで88.9%、GIVで33.3%であった。さらにHansen typeIとtypeIIに分けてスコア評価の検討を行った結果Hansen typeIの改善率は77.7%であり、Hansen typeIIの改善率は91.7%であった。

IV. 結論
 犬の椎間板ヘルニアに対するPLDD法の応用性について検討した結果、ガイド針の穿刺方法は、頸椎、胸腰椎、腰仙椎の3部位に分け、各部位ごとに適応した穿刺方法を用いることにより十分に可能で有ることが判明した。また基準となるレーザー至適照射条件は、3W・70J~5W・50Jと判断された。
 上記の条件に基づいて21例の臨床例へ応用した結果、いずれの犬種においても、その安全性と治療効果が確認された。またPLDD法の適応症例は、これまでHansen typeIIの症例とされてきたが、Hansen typeIの症例においても有効であることが示唆された。
 以上のことから、PLDD法は、各椎間に適した穿刺方法を選択し、3W・70J~5W・50Jの範囲において照射条件を設定することにより、犬の椎間板ヘルニアに対する新しい治療法として、その有効性は高いものと判断された。
学位名
学位名 博士(獣医学)
学位授与機関
学位授与機関名 麻布大学
学位授与年月日
学位授与年月日 2010-03-15
学位授与番号
学位授与番号 甲第122号
著者版フラグ
出版タイプ AM
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa
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Ver.1 2023-06-19 08:10:26.119225
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