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アイテム
イヌにおける僧帽弁形成術(Mitral valve plasty)の基礎的研究 : 特に軽度僧帽弁閉鎖不全症に対する腱索再建術における至適腱索長の検討
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3273
https://az.repo.nii.ac.jp/records/327347eaab71-b3f3-4527-8cf1-43ad05431ddc
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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diss_dv_kou0113 (29.7 MB)
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diss_dv_kou0113_jab&rev (626.9 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2013-02-21 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | イヌにおける僧帽弁形成術(Mitral valve plasty)の基礎的研究 : 特に軽度僧帽弁閉鎖不全症に対する腱索再建術における至適腱索長の検討 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Basic research in mitral valve plasty in dogs : focus on the optimal chordal length in chordae tendineae repair for mild mitral regurgitation | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者 |
青木, 卓磨
× 青木, 卓磨 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 僧帽弁は、左心房と左心室の間に存在する一方向弁で、二枚の大形弁尖(前尖ならびに後尖)および、それらの間に存在する二枚目小形弁尖(交連尖)から構成され、腱索と呼ばれる強固な策状物により乳頭筋に固定されている。僧帽弁は、弁尖、腱索ならびに乳頭筋と共に僧帽弁装置を形成し、左心室から左心房への血液の逆流を防止する機能を備えている。 弁尖には、辺縁部分にある粗雑で不透明な粗帯と他の透明な明帯とが認められるが、逆流防止時に接合する部位は、粗帯である。 腱索は弁尖への挿入の仕方や部位によって分類され、粗帯に挿入する場合は、粗帯部腱索、交連部に挿入する場合は交連部腱索、弁基部の基底帯に挿入する場合は、基底部腱索、また後尖の裂溝に挿入する場合は、裂溝部腱索と称される。また、前尖の接合面を保持する腱索の中で、最も太く、前尖のA1とA2、A2とA3の境界部を跨ぐ腱索はstrut chordaeと称される。 僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Regurgitation;MR)は、粘液腫様変性により僧帽弁弁尖の肥厚ならびに腱索の伸展・断裂が生じ、弁の接合に不一致が生じる結果、左心室から左心房へと血液が逆流する後天性心疾患とされている。 MRは初期には、心臓の代償機能により明らかな変化は生じないが、進行性の疾患であるために、次第に代償機能が破綻し、最終的には左心不全に陥り、死に至る。 治療法としては、現在内科的治療が主体であるが、様々な新薬の開発にもかかわらず、予後や生活の質(Quality Of Life;QOL)の改善には限界がみられている。一方、人医領域では一般的な治療法として人工心肺装置を用いた心停止下での外科的治療法が実施されているが、最近では獣医学領域においても報告されるようになっている。 MRに対する外科的治療法としては、自己の弁を温存する僧帽弁形成術(Mitral Valve Plasty;MVP)が、難易度は高いものの、低コストであり、生涯的な抗凝固剤の服用も必要ないことから、獣医領域において現在最も多く実施されている。獣医領域では、MVPは主に2つの手技からなる。1は、腱索再建術により粘液腫様変性によって伸展した腱索を逆流が生じない様に短縮する方法、2は、弁輪縫縮術により逆流量の減少を期待して、僧帽弁弁輪部を縫縮する方法である。特に、腱索再建術における逆流防止可能な腱索の長さを至適腱索長と称し、人医領域を見ても、非常に多くの方法が報告されており、術者は個人の経験を基に実施している。 一方、獣医領域において、至適腱索長についての報告はなく、獣医心臓外科医は至適腱索長の決定よりもむしろ、弁輪縫縮術による逆流の防止に主眼を置き、腱索長に関しては、術中の目視下において「逸脱がないように」、経験的に決定されている。 また、現在、イヌのMVPに対する成功率とコストの問題から、飼い主は、内科的治療に対する反応が消失し、重度の症状を示した段階で手術を希望することが多い。そのため、僧帽弁の病変が強く、自己の弁の温存が困難なことが多い。しかしながら、人医領域においては、MRの初期に対してMVPを実施することにより、成功率ならびに心機能が正常化する確率が高く、また良好な長期遠隔成績が期待出来ることから、最近では無症状の時期であるNYHA I度の患者に対する手術が増加している。そのことから、獣医領域においても、今後は初期のMRに対するMVPが増加するものと思われる。しかしながら、イヌの術野は極めて狭小であることから、現在、ヒトに準じて実施されている手技では、実施は困難であるものと思われる。 そこで、今回、MVPが、主に腱索再建術と弁輪縫縮術とから構成される手技である以上、一方の手技のみの評価では不十分であるが、初期のMR犬に対する腱索再建術を目的に、腱索再建術の対象となる腱索、すなわち伸展している腱索の検出法の確立ならびに腱索の伸展メカニズムの検討、ならびに初期のMR犬における至適腱索長の確定法を検討した。 第1章 心エコーを用いた生理的腱索長の推定法に関する検討(基礎実験) 現在、前尖の至適腱索長は、術中に後尖の高さに合わせる事で決定されているが、著者は術前に心エコーを用いて前尖の生理的検索長を推定することが可能であれば、手術時間を短縮する事が可能であると考えた。そこで第1章では、基礎的実験として、ビーグル犬17頭を用いて、心エコー下で生理的検索長を推定する方法を検討した。また、この場合、イヌの前尖には、各乳頭筋から派生する2本の腱索が付着していることから、本実験においては、便宜上、前乳頭筋側の腱索をAMV(Anterior Mitral Valve)1ならびに2、後乳頭筋側の腱索をAMV3ならびに4と仮称した。AMV1ならびに4は、前尖の外側に付着する太い腱索で、上述のstrut chordaeに相当する。 その結果、心エコー下で指標H(前乳頭筋腱索付着部から僧帽弁前尖付着部までの距離)と指標J(後乳頭筋腱索付着部から僧帽弁前尖付着部までの距離)を用いることによって、それぞれAMV1ならびに4の生理的検索長を推定する方法を開発した。 第2章 心エコーにより推定した腱索長を用いた正常犬へのループ・テクニック法による腱索再建術の検討(基礎実験) 第2章は、第1章における推定法の有用性を確認すると同時に、人医領域において近年開発されたループ・テクニック法を用いることにより、腱索再建術の簡便化ならびに手術時間の短縮化を目的として実施した。ループ・テクニック法は、人工腱索として最も一般的に使用されているゴアテックス糸における最大の欠点である滑り易い性質を克服すると同時に、術式を非常に簡便化させた方法である。手技としては、術中に測定した後尖の高さを元に、1本のゴアテックス糸上に後尖の高さと等長なループを複数本作成し、乳頭筋ならびに前尖に単純に縫合する。そこで著者は、第1章の手法により術前にAMV1ならびに4の生理的腱索長を推定し、術前に1本のゴアテックス糸上に、推定値に準じた各種の長さのループを作成することによって、手技の簡便さを維持させると同時に、手術時間の短縮も可能となると考え、本章において実施した。 その結果、第1章における心エコーを用いた推定法は、AMV1ならびに4の生理的腱索長を正確に推定し、また推定値に準じて予め作成しておいたループを用いることにより、正常犬を用いて作成した腱索断裂モデルにおいて、腱索の再建が可能であった。 第3章 心エコーを用いたMR犬の逆流部位に関する検討 人医ならびに獣医の両領域共に、MRにおいて術前に伸展した腱索を形態学的に明確に推定する方法がないことから、本学附属動物病院に来院したMR症例16頭ならびに本実験における自然発症MRビーグル犬6頭の計22頭を用いて、心エコーを用いて逆流の原因となる腱索(伸展している腱索)を検出する方法について検討した。 この場合、右傍胸骨四腔断面像で、各乳頭筋の描出像に対して、カラー・ドプラ法を用いてモザイク・パターン面積を測定し、面積に1.5倍以上の差がある場合、大きな面積を持つ乳頭筋描出像の腱索がより伸展していると判断した。また、右傍胸骨四腔断面像僧帽弁レベルに対して、カラー・ドプラ法を用いることにより、逆流部位を描出させ、さらに解剖学的な位置から、伸展している腱索を判断した。 その結果、MR犬では、AMV1ならびに4ではなく、AMV2ならびに3が伸展し、逆流の原因となっている可能性が示唆された。特に後乳頭筋の腱索であるAMV3が伸展することが判明した。 第4章 正常若齢犬群、正常中齢犬群ならびに僧帽弁逸脱犬群の腱索長の比較検討 第3章において、心エコーによりMR犬ではAMV2ならびに3(特にAMV3)が伸展し、逆流の原因となっていることが判明した。そこで第4章ではこれらの確認のために、ビーグル犬の心臓標本28例を用いて、直接腱索長を測定し比較することにより、伸展している腱索を検討した。 その結果、MR犬では、AMV3ならびに4が伸展していることが判明した。 第5章 腱索伸展のメカニズムの検討 腱索が伸展するメカニズムを解剖学的な背景から解明することは、外科手技の精度の向上ならびに理論的構築を行う上で、極めて重要である。そこで、第5章ではビーグル犬の心臓標本33例を用いて、腱索が伸展するメカニズムを検討した。 方法としては、正常犬とMR犬との心臓標本を用いて、僧帽弁をデジタルカメラで撮影後、パソコン上で各乳頭筋における僧帽弁前尖の支配領域(各乳頭筋の占有する前尖面積)、各腱索の太さ、回転の支点である僧帽弁弁輪部から前尖の各腱索付着部位での距離、ならびに僧帽弁前尖の面積を測定し、比較・検討した。 その結果、前乳頭筋より後乳頭筋の前尖面積が大きいことから、AMV3ならびに4に強い負荷が加わり、またAMV2ならびに3は、AMV1ならびに4と比較して細いことから強度が弱いことが推察された。さらに弁尖の回転の支点である弁輪部からの距離に対して慣性モーメントを用いることにより、AMV2ならびに3には強い負荷が加わることが推察された。本検索から、上述のような解剖学的な要因により、AMV2、3ならびに4、特にAMV3が伸展することが判明した。 第6章 正常心における腱索短縮率の限界についての検討 腱索再建術には様々な手法が報告されているが、伸展している腱索を短縮し、弁尖を左室内に落としこむことは共通している。しかしながら、短縮が過度となる場合、逆流が発生する可能性が高い。そこで第6章では、正常ビーグル犬の心臓標本3例を用いて、腱索短縮率の限界について検討を加えた。この場合、MR犬ではAMV4は伸展しているものの正常に機能していると推察されたことから(第3章、第4章)、第1章ならびに第2章において有用であった手法は、ループの縫着後、AMV1ならびに4の正常な機能に影響を与える可能性が考えられた。そこで、AMV1ならびに4の乳頭筋起始部から、AMV2ならびに3の乳頭筋起始部に縫着点を移動させる必要が生じた。また、第1章ならびに2章から正常犬においてAMV1ならびに4の生理的腱索長を推定することが可能であった。しかしながら、第5章の成績よりAMV4の伸展には種々の要因が関連していることが判明したことから、MR犬においては心エコーを用いて術前に腱索長を推定することは困難であるものと思われた。しかしながら、これらの腱索は露出が容易であり、腱索長の測定も容易に実施出来ることから、AMV1ならびに4の実測値を、AMV2ならびに3の指標として採用した。 方法としては、心臓標本を用いてAMV2ならびに3に対し、それぞれAMV1ならびに4の実測値を指標として、実測値と等長な長さから漸次、人工腱索を短縮し、逆流が生じる長さを短縮限度とした。逆流の有無は逆流テストで確認した。また、人工腱索の腱索長の調整にはループ・テクニック法を応用し、予め長さの異なるループを作成し、必要な長さのループを選択し使用するループ・テクニック変法を使用した。 その結果、正常心ではAMV1ならびに4の実測値の20%減が、それぞれAMV2ならびに3の短縮限界であることが判明した。 第7章 軽度MR犬における腱索再建術の検討 これまでの成績から、MR犬ではAMV2ならびに3が伸展し、逆流の原因となっていることが判明した。また基礎実験において有用であった正常犬における至適腱索長ならびにループ・テクニック法は、MR犬には応用が困難であることが判明した。そこで第7章では第6章の成績を基に、自然発症したMRビーグル犬6頭を用いてAMV2ならびに3の至適腱索長の指標について検討を加えた。 方法としては、自然発症したMR犬に対して、実際に体外循環下でループ・テクニック変法を用いて腱索再建術を実施した。この場合、人工腱索長は、AMV2に対してはAMV1の実測値を、AMV3に対してはAMV4の実測値を指標として、第6章の成績から下限を20%減じた長さとして、0%減、10%減および20%減までの長さを適用し、至適腱索長を検討した。 その結果、初期のMR犬に対しては、AMV1ならびに4の実測値の20%を減じた長さが、それぞれAMV2ならびに3の至適腱索長であることが判明した(20%減テクニック法)。 第8章 総括 著者の知る限り、獣医領域において至適腱索長における明確な報告は認められなかったが、今回の基礎実験において、心エコーを用いることにより、AMV1ならびに4の生理的腱索長が推定可能であり、またループ・テクニック法を応用することにより、正常犬を用いた腱索断裂モデルに対して、腱索の再建が容易にかつ手術時間を短縮して、実施出来る可能性が示された。 しかしながら、第3章ならびに第4章の成績より、MR犬においては、AMV2ならびに3が伸展し、逆流の原因となっていることが判明した。したがって正常犬から得られたこれらの成績は、AMV1ならびに4を縫着点とすることから、縫着後、正常に機能している腱索の機能に異常を与えると推察された(第4章、第5章)。これにより、ループの縫着点を、AMV1ならびに4の乳頭筋起始部から、AMV2ならびに3の乳頭筋起始部へと変更させる必要が生じた。さらに、第6章からAMV4は種々の要因により負荷が加わり、伸展していることが判明したため、心エコーを用いて推定することは困難であることが判明した。しかしながら、開心術操作では、AMV1ならびに4は露出が容易であること、腱索長の計測も容易に実施可能であること、また第3章から正常に機能していることが判明したことなどから、これらの実測値を、それぞれAMV2ならびに3の指標として採用した。 さらに第7章において、上記の成績を基に自然発症の軽度MR犬に適応させて検討した結果、初期のMR犬に対するAMV2ならびに3の至適腱索長は、それぞれAMV1ならびに4の実測値の20%減じた長さであることが判明した。 さらにMRの外科的治療では、腱索再建術に必要な手技の開発も必要とされる。今回、著者はループ・テクニック法を応用し、予めループのみを作成し術中に必要な長さのループを選択し使用する、ループ・テクニック変法を考案した。第7章では、この方法を使用して初期のMR犬に適応した結果、狭小な術野においても、乳頭筋ならびに前尖に至適腱索長と等長な長さのループを縫着するのみであることから、有効な手法と考えられた。 本研究により、初期のMR犬における至適腱索長を確定する方法を明らかにしたと同時に、MR犬における伸展腱索の検出法が開発され、また伸展する腱索のメカニズムが解明された。またループ・テクニック変法を考案した。これらは、特に初期のMR犬における腱索再建術に対して、非常に有用な情報を提供したと考えられた。 第9章 結語 初期のMR犬に対して、腱索再建術における至適腱索長、伸展している腱索の検出方法、腱索の伸展するメカニズム、ならびに狭小な術野においても簡便で手術時間が短縮可能な外科手技に対して検討を加えた結果、以下の知見が得られた。 1)心エコーを用いて、MRにより伸展した腱索を推察する方法を考案した。 2)初期のMR犬ではAMV2ならびに3、特に後乳頭筋の腱索であるAMV3が伸展していることを明らかにし、また伸展するメカニズムは解剖学的な要因に起因している可能性を示した。 3)初期のMRに対しては、AMV1ならびに4の実測値の20%減の長さを、それぞれAMV2ならびに3の至適腱索長として使用することにより、腱索の再建が可能であることを示した(20%減テクニック法)。 4)イヌに対してループ・テクニック法を応用し、またその変法を考案したことにより、従来の術式と比較して、より簡便で、手術時間を短縮可能な手技を提案した。 |
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Abstract | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | The mitral valve is a one-way valve located between the left atrium and ventricle. It is made up of two large cusps, cuspis anterior and posterior, and two smaller cusps (cuspides commissurales) occurring between the larger cusps. These cusps are tethered to the papillary muscles by strong thread-like structures called the tendinous chords (chordae tendineae). Together with the cusps, chordae and papillary muscles, the mitral valve works as the mitral valve apparatus to prevent blood backflow from the left ventricle to the left atrium. Each cusp is divided into a transparent clear zone and a rough zone, a coarse, opaque area at the periphery; it is the rough zone that contains the line of valve closure when stopping regurgitation. The tendinous chords are classified based on their locations and point of insertion to the cusps. Rough-zone chords insert into the rough zone, commissural chords into the commissural area, basal chords into the base of the cusp (the base zone), and cleft chords into the indentations of the posterior cusp. Among the chords that support the coapting surface of the anterior cusp, the thickest chords bridging the area between the junctions of A1 and A2 scallops, and A2 and A3 scallops are called strut chordae. Mitral regurgitation (MR) is an acquired cardiac disease in which a thickened cusp and a stretched or ruptured chorda secondary to myxomatous degeneration lead to incomplete valvular coaptation, which in turn causes blood backflow from the left ventricle into the left atrium. In the early phase of MR there are no apparent changes in the circulatory physiology owing to the cardiac compensatory mechanism. As the disease progresses, however, this compensatory mechanism gradually loses its balance eventually leading to death from left cardiac failure. While MR is commonly treated with medicines, medical management has limitations in improving the prognosis or the quality of life (QOL) in affected patients, although new drugs are continuously being developed. In human medicine, on the other hand, surgical repair under cardioplegia assisted by a cardiopulmonary bypass has become increasingly common. Recently, the procedure has been reported also in veterinary medicine. As one of the options for surgical treatment of MR, mitral valve plasty (MVP) is most commonly employed in veterinary medicine. Although technically more challenging, MVP has advantages in that it is inexpensive and that life-long anticoagulation therapy is not required. In veterinary medicine, MVP can be divided largely into two procedures. The first part is chordae repair, or chordoplasty, in which elongated chords due to myxomatous degeneration are shortened to prevent backflow. Secondly, in an effort to further reduce backflow, shortening suture annuloplasty is performed to restore the size of the annulus. In chordae repair, chordal length just sufficient to prevent regurgitation is called the optimal chordal length. In human medicine, despite a variety of studies attempting to determine this length, each surgeon depends on their own experience when performing the procedure. In veterinary medicine, on the contrary, no optimal chordal length has been reported, and the focus of cardiac surgeons is to repair regurgitation by shortening suture annuloplasty rather than by adjustment of the chordal length; the chordal length is empirically and visually determined during surgery so "to prevent valve prolapse." Currently, because of the success rate and the cost of MVP in dogs, owners tend to choose the procedure when the disease is more advanced, i.e., after their dog's condition becomes severe and irresponsive to medical treatment. At this stage, however, the mitral valve lesion is too advanced for preservation. In humans, on the contrary, the rate for successful surgical repair and reversing cardiac function is high, because MVP is performed in the early stages of MR. Since MVP promises favorable long-term outcome, it is more increasingly used in patients in NYHA class I, the patients with no symptoms. In this light, it is expected that MVP will become the future mainstay of surgical management for early-stage canine MR. There is, however, an impediment to adapting the procedure for canine use; the operative field is quite limited in dogs. The present study focused on improving the chordal repair technique for use in dogs with early MR, even though it is not sufficient for evaluating chordoplasty and annuloplasty separately, given that MVP consists of both procedures. The study sought to develop a method of determining tendinous chords that are more prone to stretching, that is, the chords that should be targeted for surgical repair, the mechanism of chordal elongation, and finally a method of determining the optimal chordal length for repairing early canine MR. Chapter 1 Methodological analysis for estimating the physiological chordal length using echocardiography (preliminary study) Although currently the optimal chordal length for the anterior cusp is determined intraoperatively and adjusted to the height of the posterior cusp, the surgical time might be reduced by estimating the physiological chordal length preoperatively under echocardiographic assistance. In Chapter 1, a method of echocardiographically estimating the physiological chordal length is examined in 17 beagle dogs. In dogs, the anterior cusp is attached to two pairs of tendinous chords arising from a single papillary muscle. For convenience, these chords are named Anterior Mitral Valve (AMV) 1 to 4, from anterior to posterior. AMV1 and 4 are thick choadae attached laterally to the anterior cusp and correspond to the strut chords described above. Using the echocardiographic distance between the point of attachment in the anterior papillary muscle and the point of attachment in the anterior cusp (Index H), and that between the point of attachment in the posterior papillary muscle and the point of attachment in the anterior cusp (Index J), a method of estimating the physiological lengths of AMV1 and AMV4, respectively, was developed. Chapter 2 Adapting the loop technique for chordal repair in healthy dogs using the chordal length estimated with echocardiographic guidance (preliminary study) In Chapter 2, the loop technique, which was recently developed for human MVP, is applied in dogs to confirm the usefulness of the physiological chordal length estimation described in Chapter 1 and to simplify and shorten the surgical chord repair procedure. The loop technique is a much simplified chordoplasty procedure and has been developed to overcome suture slippage, the main disadvantage of GORE-TEX[○!R], which is most commonly used for chord repair. In this method, the height of the posterior cusp is measured during surgery, and multiple loops are prepared to fit the measurement using a single strand of GORE-TEX[○!R] and simply sutured to the papillary muscles and anterior cusps. In this study, in an attempt to shorten the operative time without compromising the simplicity of the procedure, loops were prepared before surgery at physiological lengths of AMV1 and 4, which were estimated as described in Chapter 1. As a result, it was found that echocardiographic estimation of the physiological lengths of AMV1 and 4 was accurate, and using loops that were preoperatively prepared according to these estimates, chordal repair was successfully performed in canine models with experimentally ruptured tendinous chords. Chapter 3 Echocardiographic analysis on the location of MR in dogs In both human and veterinary medicine, there is no established method of predicting which chorda is elongated before surgery by morphological analyses. In this chapter, echocardiography was used to establish a method of detecting tendinous chords that were causing regurgitation, i.e., elongated chords, in a total of 22 dogs: 16 dogs with MR that were presented to our hospital and 6 beagle dogs with naturally occurring MR. To this end, each papillary muscle was visualized in a right parasternal four-chamber view by color Doppler echocardiogram, and the area showing the mosaic pattern was measured. It was determined that when the difference between two mosaic areas was more than 1.5 times, the muscle showing a larger mosaic area was elongated. In addition, mitral valve regurgitation was detected by color Doppler echocardiography also in a right parasternal four-chamber view for anatomical analysis of elongated chordae. As a result, it was suggested that in canine MR AMV2 and 3, but neither AMV1 nor AMV4, were more often elongated and were the cause of regurgitation. In particular, AMV3 was more prone to elongation. Chapter 4 Comparison of chordal lengths among health young dogs, health middle-aged dogs and dogs with mitral valve prolapse In Chapter 3, echocardiographic analyses show that AMV2 and especially AMV3 were elongated and causing regurgitation in canine MR. To confirm this finding, the chordal length was measured and compared using heart specimens from 28 beagle dogs. As a result, AMV3 and 4 were found to be elongated in dogs with MR. Chapter 5 Anatomical basis for the mechanism of chordal elongation Anatomical understanding of the mechanism of chordal elongation is of great importance for improving the surgical accuracy and theoretical structuring. In Chapter 5, the mechanism of chordal elongation is examined using 33 heart specimens of beagle dogs with or without MR. Briefly, images of these heart specimens were taken by a digital camera, digitally compared and analyzed for the anterior cusp area occupied by each papillary muscle, the chordal widths, the distance from the point of valvular rotation (the annulus) to the point of chordal attachment in the anterior cusp, and the area of anterior cusps. As a result, it was found that stronger tensions were generated on AMV3 and 4, because the area of the anterior cusp was larger in the posterior papillary muscle than in the anterior papillary muscle. As for AMV2 and 3, they were thinner than AMV1 and 4 and therefore thought to be less durable. Furthermore, it was indicated that AMV2 and 3 were under greater stress, due to the moment of inertia to their distance from the annulus, the point of valvular rotation. Taking these findings together, AMV2, 4 and especially 3 were more readily elongated due to their anatomical characteristics. Chapter 6 Limits of chordal shortening in the normal heart Despite the variety of published chordoplasty methods, the elongated chord is shortened, and the cusps are placed into the left ventricle in all methods. However, excessive chordal shortening is highly likely to cause regurgitation. In Chapter 6, the limit of chordal shortening is analyzed using three cardiac samples from healthy beagle dogs. From the previous finding that AMV4 can function normally even when stretched (Chapters 3 and 4), the method described in Chapters 1 and 2 may influence normally functioning AMVI and AMV4 after loop suturing. To solve this, the loop was sutured to AMV2 and 3, instead of AMVI and 4, where the corresponding papillary muscles sprout. Furthermore, it is suggested in Chapters 1 and 2 that the physiological lengths of AMV1 and 4 are predictable. At the same time, it was found that various factors were associated with AMV4 elongation in Chapter 5. Taking these findings together, it is considered difficult to echocardiographically estimate the chordal length of AMV4 preoperatively in dogs with MR. These chords, however, are readily exposed during surgery and thus amenable to measurement for their lengths, and these lengths were used to estimate the lengths of AMV2 and 3. Using cardiac specimens, artificial chords were prepared for AMV2 and 3 at a length equal to the actual measurements of AMV1 and 4, and the artificial chords were gradually reduced to the length where regurgitation occurred. This length was defined as the shortening limit. The presence of regurgitation was confirmed by the regurgitation test. Furthermore, applying the modified loop method described before, artificial chords were prepared in varied lengths preoperatively, and the right length was selected during operation. These experiments show that the shortening limit for AMV2 and 3 is 20% reduction from the actual length of AMV1 and 4 respectively in the normal heart. Chapter7 Technical analysis of chordal repair in dogs with mild MR AMV2 and 3 are considered the most likely cause of regurgitation in dogs with MR, and the loop technique and optimal chordal length determined in healthy dogs are difficult to use in canine MR, although they were effective in preliminary experiments. In Chapter 7, parameters for determining the optimal length of AMV2 and 3 are examined in six beagle dogs with naturally occurring MR, based on the results reported in Chapter 6. The modified loop technique was used for chordal repair under cardiopulmonary bypass in dogs with naturally occurring MR. In this study, prosthetic chords for AMV2 and AMV3 were prepared at a length equal to or 10 or 20% shorter than the actual length of AMV1 and AMV4, respectively, to examine the optimal length. As a result, it was found that 20% reduction from the AMV1 and 4 actual lengths was optimal for repair of AMV2 and AMV3, respectively (the 20% reduction method). Chapter 8 Summary To our knowledge, there has been no report describing the optimal chordal length for chordal repair in veterinary medicine. This is the first study to show that the physiological lengths of AMV1 and AMV4 can be estimated by echocardiography. In addition, the study shows that by modification of the loop technique, it is possible to simplify and shorten the surgical chordal repair procedure in healthy dogs with experimentally ruptured tendinous chords. However, the experiments in Chapters 3 and 4 suggest that AMV 2 and 3 were most likely elongated and causing regurgitation in canine MR. These results indicate that loop suturing to AMV1 and 4 would compromise otherwise normally functioning chords (Chapters 4 and 5). To solve this problem, loop suture sites were moved from the papillary roots of AMV1 and 4 to those of AMV2 and 3. Furthermore, it was found that various mechanical tensions were exerted on AMV4 rendering it stretched. For this reason, it was difficult to estimate the length of AMV4 by echocardiography. In open heart surgery, however, AMV1 and 4 are readily approached, and their actual measurements are not difficult. The results in Chapter 3 also indicate that these chords were normally functioning. These findings formed the rationale for using the actual length of AMV1 and 4 as the parameters for estimating the length of AMV2 and 3. Chapter 7 applies the above data to chordal repair in dogs with naturally occurring mild MR. As a result, the optimal chord length for AMV2 and 3 in early MR was obtained by 20% reduction from the measured length of AMV1 and 4, respectively. In surgical management of MR, technical development is essential for successful chord repair. In this study, a modified loop technique is developed, in which loops are prepared preoperatively and selected accordingly during the procedure. The use of this technique is described in Chapter 7 in dogs with early-stage MR and its effectiveness and simplicity are proven even in a small surgical field; loops were prepared at the optimal chordal length and simply sutured to the papillary muscles and anterior cusp. Thus, this study developed a strategy for estimating the optimal chordal length and a method of predicting elongated chords in dogs with early-stage MR. The study also provides the anatomical basis for the mechanism of chordal elongation. In addition, the loop technique was successfully adapted for canine use. These new findings described in this study will greatly benefit the field of mitral valve chordoplasty especially in early-stage canine MR. Chapter 9 Conclusion Through investigation on the optimal chordal length for chordal repair, the methodological approach for detection of elongated chords, the mechanism of chordal elongation, and technical modification to achieve shortened and simplified surgical procedures in a small operative field, the study provided the following new insights: 1) Elongated chords are predictable in canine MR by echocardiography. 2) AMV2 and especially AMV3, which attaches to the posterior papillary muscle, are elongated in dogs with early-stage MR. The anatomy of these chords suggests the mechanism of chordal elongation. 3) In early MR, chordoplasty can be effectively achieved by the 20% reduction technique, using the optimal length of AMV2 and 3 which is 20% shorter than the actual length of AMV1 and 4, respectively. 4) The loop technique was adapted for canine use. This modified loop method was effective in simplifying and shortening the conventional surgical procedure. |
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学位名 | ||||||
学位名 | 博士(獣医学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2008-03-15 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 甲第113号 | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |