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アイテム
ALDH2 (ALDH2*1/2)とCYP2E1 (c1/c2, C/D)の遺伝子多型がアルコール代謝速度におよぼす影響およびアルコール依存症におけるセロトニンレセプターの遺伝子型(HTR2 MspI 多型)について
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3806
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3806bbb631bb-9818-42d3-a7d2-a2202d3fd933
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||
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公開日 | 2013-10-01 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | ALDH2 (ALDH2*1/2)とCYP2E1 (c1/c2, C/D)の遺伝子多型がアルコール代謝速度におよぼす影響およびアルコール依存症におけるセロトニンレセプターの遺伝子型(HTR2 MspI 多型)について | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | The effects of the ALDH2*1/2, CYP2E1 c1/c2 and C/D genotypes on blood ethanol elimination and the human serotonin receptor (HTR2) gene MspI polymorphism in Japanese alcoholic patients | |||||||||
言語 | en | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | eng | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ | thesis | |||||||||
著者 |
吉原, 英児
× 吉原, 英児
× Yoshihara, Eiji
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抄録 | ||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||
内容記述 | はじめに 飲酒時の顔面紅潮、頭痛などといった症状はアセトアルデヒドが原因であり、その代謝酵素であるALDH2が関与している。すなわちALDH2の不活性型を示すALDH2*2遺伝子をもつフラッシャーは、この遺伝子をもたないノンフラッシャーよりアルコール依存症に発展しにくいことが知られている。また、岩橋らはALDH2遺伝子のヘテロ接合体保持者(フラッシャー)の中でも平均飲酒量や最大飲酒量にかなりの個体差があることに着目し、アルコールによって誘導されアルコールをアセトアルデヒドに代謝する酵素といわれているCYP2E1がこの事実に関連している可能性があることを報告している。しかしながら、CYP2E1の遺伝子多型に関しては、未だに遺伝子を発現させて、この多型が酵素活性に影響することを証明した報告はない。そこで本研究ではALDH2とCYP2E1のc1/c2およびC/D遺伝子多型がアルコール代謝速度に及ぼす影響について検討した。 また一方、アルコール代謝以外でもアルコール依存へのリスクファクターが存在する可能性が指摘され、Lalらはセロトニンレセプター(HTR2)が不安症状やアルコール離脱症状とに関連があることを示唆している。そこでこの研究ではHTR2の遺伝子多型(c1/c2)とアルコール依存症との相関の有無についても検討した。 材料および方法 血中アルコールおよびアセトアルデヒド濃度の測定:CYP2E1遺伝子型が異なる(c1/c2, C/Dとc1/c1, D/D)以外、ADH2、ADH3およびALDH2遺伝子型はすべて同じである組、同様にADH2遺伝子型が異なる(ADH2*1/1とADH2*1/2)以外はすべて同じ遺伝子型の組、およびALDH2遺伝子型が異なる(ALDH2*1/1とALDH2*1/2)以外はすべて同じ遺伝子型の組、計3組6人のボランティア(飲酒歴10年以上、年齢29-35歳、体重50-65kg)を対象にした。実験開始前24時間の禁酒、3時間前に同じ食事をとった後、エタノール(0.20g/kg)を生理食塩水で20倍希釈して30分間かけて静脈内投与した。投与直前から180分後まで経時的に採血し、ガスクロマトグラフィーにて血中エタノールとアセトアルデヒド濃度を測定した。血中アルコールおよびアセトアルデヒド消失曲線の回帰式より95%信頼限界の曲線を求め、その重なりの有無によって有意差を判定した。 アルコール依存症とセロトニンレセプター遺伝子型:DSM-III-R criteriaでアルコール依存と診断された入院患者の男性73名と健常者の男性55名を対象に、実験の説明を行い同意を得て採血した。所定の方法によりDNAを抽出精製し、PCR法およびRFLP法にてHTR2の遺伝子多型(c1/c2)について分析した。c1/c2遺伝子の頻度がアルコール依存症群で有意に高いかどうかをカイ二乗検定により調べた。 結果および考察 CYP2E1の遺伝子型のみが異なる組合せでは、c2およびC対立遺伝子を持つボランティア(c1/c2, C/D)より、これらの遺伝子を持たないボランティア(c1/c1, D/D)の方が有意に高い血中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度を示した。同様にALDH2*2を持つボランティア(ALDH2*1/ALDH2*2)の血中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度は、ALDH2*2を持たないボランティア(ALDH2*1/ALDH2*1)より有意に高かった。しかしながらADH2*1を持たないボランティア(ADH2*2/ADH2*2)の血中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度は、ADH2*1を持つボランティア(ADH2*1/ADH2*2)と有意差がなかった。従ってエタノール代謝モデルに関する統計学的推論からALDH2*1およびc2あるいはC対立遺伝子が、発現タンパク質レベルで、エタノール代謝に有意な影響を持つことが明らかになった。 またHTR2のMsp I多型を調べたところ、c1およびc2対立遺伝子頻度はアルコール依存症患者群でそれぞれ0.52および0.48であったのに対し、健常者群では同じく0.56および0.44であった。両群において出現頻度に差があるかどうかカイ二乗検定したところ、有意差はなかった(χ^2=0.47, df=1, p>0.05)。さらに遺伝子型(c1/c1, c1/c2およびc2/c2)の出現頻度についても同様に検定を行ったが有意差はなかった。HTR2はパロペリドールに反応しにくい精神分裂病に効果を示すクロザピンや、うつ病に効果を示す抗うつ薬のターゲットの一つである。そこでこの遺伝子のMsp I遺伝子多型が不安という症状を介してアルコール依存の発症または持続に関与しているかどうか検討したが、本研究の結果からはMsp I遺伝子多型とアルコール依存症との関連は見いだされなかった。 |
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Abstract | ||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||
内容記述 | [SUMMARY] The effects of CYP2E1 genotypes on the blood ethanol and acetaldehyde levels were investigated in a pair of Japanese volunteers whose ADH2, ADH3 and ALDH2 genotypes were identical but whose CYP2E1 genotypes were different. In the same way, the effects of ALDH2 and ADH2 on the ethanol elimination kinetics were also studied. The predicting 95% confidence bounds determined on regression analysis of the data suggested that after venous injection of ethanol, the blood ethanol and acetaldehyde concentrations in a volunteer normal homozygous for ALDH2 (ALDH2*1/1) were lower than in a heterozygous one (ALDH2*1/2). Also, the blood ethanol and acetaldehyde concentrations in a volunteer with the c2 and C alleles of CYP2E1 (c1/c2 and C/D) were lower than in one without the c2 and C alleles (c1/c1 and D/D). However, there were no significant differences in the blood ethanol and acetaldehyde concentrations between volunteers with ADH2*1 (ADH2*1/2) and without ADH2*1 (ADH2*2/2). It is possible that the ALDH2*1, and c2 and/or C alleles may correspond to the higher blood ethanol and acetaldehyde elimination rates after the intravenous administration of 0.2 g/kg of ethanol. On the other hand, it has been reported that serotonin is one of the risk factor for alcoholics, and then epidemiological and genetic studies of alcoholism have performed. In this study, the human serotonin receptor (HTR2) polymorphism was examined in 75 alcoholics patients and it is found that there might not be a significant difference between these alcoholics patients and controls in the frequencies of C1/C2 HTR2 gene (Msp I polymorphism). The results suggest that the human HTR2 Msp I polymorphism might not be associated with a risk factor for developing alcohol dependence. It is possible that there may be a racial difference in the frequency of the C1/C2 gene between Japanese and Caucasians. Further studies are required to determine whether or not the novel serotonin receptor polymorphism reflects the pathogenesis of alcoholism. |
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学位名 | ||||||||||
学位名 | 博士(学術) | |||||||||
学位授与機関 | ||||||||||
学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||
学位授与年月日 | 2000-05-17 | |||||||||
学位授与番号 | ||||||||||
学位授与番号 | 乙第1号 | |||||||||
著者版フラグ | ||||||||||
出版タイプ | AM | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |