{"created":"2023-06-19T07:18:11.866315+00:00","id":3356,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"53fc2546-0ff9-4fff-9dc0-55ad10756fe3"},"_deposit":{"created_by":4,"id":"3356","owners":[4],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3356"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:az.repo.nii.ac.jp:00003356","sets":["370:15:392"]},"author_link":["16491","16496"],"item_10006_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1980-10-08"}]},"item_10006_degree_grantor_9":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"麻布大学"}]}]},"item_10006_degree_name_8":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"獣医学博士"}]},"item_10006_description_22":{"attribute_name":"Abstract","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"Papers published previously on abnormality in the canine pectineus muscle concern exclusively with cases found in dogs of large-sized breeds. Studies on this abnormality have been made particularly in relation to hypoplasia of the hip joint. The author was not satisfied with these conditions and carried out clinical studies on such abnormality in the pectineus muscle in dogs of small-sized breeds. Besides, an attempt was made to clarify the extent of indication of partial pectinectomy. As a result, the following conclusions were drawn.\n 1. Such abnormality in the canine pectineus muscle as conventionally assumed to affect dogs of large-sized breeds alone was confirmed to be found also in dogs of small-sized breeds.\n 2. Abnormality in the pectineus muscle is related closely with hypoplasia of the hip joint in dogs of large-sized breeds. It was suggested, however, in the present studies that this abnormality might have relation to the knee joint in dogs of small-sized breeds. Patellar luxation was noticed in 75.9% of the dogs of these breeds manifesting abnormality in the pectineus muscle.\n 3. When dogs of small-sized breeds manifesting abnormality in the pectineus muscle were examined, difficulty in opening the bilateral pelvic limbs, an abnormal suspending posture, an abnormal posture of dog-like squatting, and upward rachiocampsis were noticed in almost all of them. Such digestive symptoms as anorexia and constipation were also presented at a considerably high frequency.\n 4. Partial pectinectomy which had been used for the treatment of hypoplasia of the hip joint was confirmed to be very effective also for the treatment of abnormality in the pectineus muscle found in dogs of small-sized breeds. It was also demonstrated to improve such symptoms as accompanying this abnormality in the dogs at a high frequency.\n","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_description_7":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"近年室内飼育による小型犬が急増し,そのうちの多数に虚弱化した異常体型を呈するものが見受けられる。特に後軀に原因不明の運動機能障害を伴う疾患が多発している。例えば,膝蓋骨脱臼,レッグペルテス病,脊椎,大腿骨,経骨の変形症などが認められ,それに伴なう異常姿勢や異常歩様を呈するものが多い。しかし,これらは主として大型犬種の幼犬あるいは成犬にその発症が見られる股関節形成不全症(Hip Dysplasia)とされていて,これら小型犬種にはほとんど見られないのは何故であろうか,著者の深かい関心をひくところである。\n 著者は,このような疑問点に着目し,過去5年間にわたり著者の病院に上診した小型犬種の各種運動機能障害を伴なう症例に対し興味をもって診断した結果,これら患犬の恥骨筋(musculus pectineus)に.痙縮や拘縮を示す異常な症状を認めたのである。本研究は,これら小型犬における恥骨筋の異常の診断の指針となるべき事項を追究し臨床学的見地からその対策処置に関し研究を行った。\n 恥骨筋は,歩行運動に際して股関節と膝関節に体重の負荷を分散する機能を有していてその解剖学的意義は,内転作用を有する後肢の協力筋群に属し,大腿部の内側筋膜表面で薄筋の前部に位置している。恥骨筋の前方は,大腿内転筋大部及び短部と密接するが,内側方は大腿筋膜と大腿動脈ならびに大腿静脈で,縫工筋から分離しており,形状は紡錘形で,筋部の横断面は楕円形を呈している。\n 恥骨筋の起部は,恥骨前腱とこれに融合する腹筋より腱質で始まる部分と,腸恥隆起から筋質で起る部分があり,この筋は遠位部で縫工筋の下部を走行したのち扁平となり,大腿四頭筋の内側広筋と大腿内転筋との間に存在し,広い長腱と連続して,大腿骨の後面に向かって斜走している。恥骨筋の内面は厚く,半膜様筋の前方とともに大腿骨内側顆の上部に終わり,薄い腱の主部は大腿内転筋大部及び短部の停止部内側で.大腿骨膝窩面の骨膜に付着している。この恥骨筋の作用は、大腿の内転と膝関節の前方回旋であり,その運動は閉鎖神経(N. Obturatarius)によって支配されている。\n 恥骨筋の異常について臨床的見地から,ジーマンシェパードなどの大型犬種に多発すると言われる股関節形成不全症との関連が注目される。1968年,BardensとHardwichは触診によって股関節形成異常と診断した。154頭の症例を剖検したところ,円靱帯の伸長,股関節包の伸長,関節の弛緩,関節表面の損傷.関節包滑液の増加と関節包滑液中の好中球の増加及び他の大腿筋肉に比較して,恥骨筋に緊張の増加が認められたことを報告し,恥骨筋の病理組織学的検査での特微は,筋線維の萎縮が見られ,萎縮の程度は筋線維束及び同じ筋肉でも部位によって異なるが,筋鞘核仁の著しい増加が見られた。これらの事から幼犬で生後まもない時期に恥骨筋の痙縮ないし短縮が起ると,大腿骨頭が寛骨臼縁に圧迫される上方への力が生ずるために寛骨臼縁の損傷が起り,股関節形成不全に至ると結論づけている。その後多くの研究者により,恥骨筋と股関節形成不全症との関連について研究がなされ,現在では,恥骨筋の萎縮が股関節形成不全の誘因であるという推定のもとに股関節形成不全の予防法及び治療法の一手段として,実地臨床において,恥骨筋切除術が試みられて来た。\n 著者は今回恥骨筋の異常を呈する小型犬種79例の症候別分析を実施した。その概要は以下のごとくである。\n(1)犬種\n 供試症例は犬種別に分類すると,マルチーズ20例(25.3%),ポメラニアン19例(24.1%),チワワ13例(16.5%),ヨークシャーテリア12例(15.1%),プードル7例(8.9%),狆4例(5.1%),柴犬1例(1.3%),ミニチアピンシェル1例(1.3%),ペキニーズ1例(1.3%),シーズー1例(1.3%)で全例ともにが純粋犬種であり,そのうちでも室内飼育の小型犬種が90%以上を占めていた。\n(2)年齢\n 供試症例の年齢は,1才未満のもの17例(21.5%),1才代のもの17例(21.5%),2才代のもの14例(17.7%),3才代のもの19例(24.1%),4才代のもの6例(7.9%),5才代のもの3例(3.8%),6才代のもの2例(2.5%),7才代のもの1例(1.3%)であり,3才令以下のものが84.8%を占め,若令犬に恥骨筋の拘縮を示す症例が多かった。\n(3)体重\n 供試症例の体重は小型犬種及び若令犬が多いことなどから,2.0kg前後が大多数を占め,1kg代のもの13例(16.5%),2kg代のもの36例(45.6%),3kg代のもの18例(22.8%),4kg代のもの11例(13.9%),5kg代のもの1例(1.3%)であった。\n(4)性別\n 供試症例の性別は,79例中,牡47例,牝32例で,性比は1:0.68であり,牝に比較して牡に恥骨筋の拘縮が多くみられた。\n これらの症例に対して著者はその病態の特長および臨床症状に基いて特に膝関節を対象とした診断項目を設けて観察した。\n1. 視診\n(1) 姿勢の異常 脊椎彎曲の有無 犬座姿勢の形態など\n(2) 歩様の異常\n2. 触診\n(1) 恥骨筋の圧迫試験\n 症例の後方から内肢部を圧迫し,その時の圧痛の有無および恥骨筋の硬度等を観察する。\n(2) 開脚試験\n 症例を仰臥位に保定し,体軸に合わせて90度の角度で両側の後肢を開脚し,その時の開脚角度,恥骨筋の隆起状態,疼痛の有無を観察する。\n(3 )懸垂試験\n 症例を立位の状態のまま挙上し,その時の後肢の伸長度,下腿部のねじれの有無などを観察する。\n 以上79症例の診断の結果は以下のとおりとなる。恥骨筋部の圧迫で疼痛発現し,恥骨筋の拘縮,79例中79例(100%),跛行77例(97.5%),後肢の開脚困難76例(96.2%),懸垂姿勢の異常76例(96.2%),犬座姿勢の異常,70例(88.6%),膝蓋骨脱臼60例(75.9%),脊椎の彎曲45例(60.0%),食欲不振36例(45.6%),集合姿勢34例(43.0%),狭踏姿勢15例(19.0%),便秘15例(19.0%),嘔吐11例(13.9%),レックペルテス病5例(6.3%),脊柱部の圧痛4例(5.1%),股関節脱臼3例(3.8%),起立不能1例(1.3%)を見た。\n これらについて臨床症状から分析すると,跛行,背彎姿勢,犬座姿勢の異常などきわめて類似した異常姿勢や歩様が高率に発生し,かつ症例の75.9%に膝蓋骨の脱臼が見られるという興味深い知見が得られた。また大型犬種において恥骨筋異常と関連の深い股関節の異常は,今回調査した小型犬種においてほ,レッグペルテス病6.3%,股関節脱臼3.5%の如く膝関節の異常に比較してきわめて低率であった。これらの所見から、大型犬種で恥骨筋の異常が股関節へ影響を及ぼすことに対し,小型犬種では膝関節に影響することを示唆するものと考えられた。ここで大型犬種と小型犬種の体型を比較すると,一般にシェパードなどの大型犬種では,体軀と四肢の関係により,形状は側方から見ると長方形となる。これに対し小型犬種では,体軀の長さに比較して四肢が長く.その形状は正方形である。この様な体型の相違から,恥骨筋を介する体重負荷の際に膝関節及び股関節への分散が犬種により異り,大型犬種でにその負荷は主に股関節へ,小型犬種では膝関節へ及ぶものと推察される。\n 本硯究では,恥骨筋の異常を示す小型犬種の症例79例に対し,Pichards(1972)らが股関節形成不全症に応用したものとほぼ同様の方法で恥骨筋切除術を実施した。現在まで報告されている恥骨筋に対する手術法は,大別して4通りに区別される。\n 1.恥骨筋腱切断術  2.恥骨筋腱切除術\n 3.恥骨筋切断術   4.恥骨筋切除術\nであり,いずれの術式もそれぞれ長所,短所があり,今回は,恥骨筋に関する手術法のうちでも.最も切断端の再癒着の可能性が少ない恥骨筋切除術(partial pectinectomy)を用い,本手術法の短所とされている切断端からの出血に対し焼烙止血を用いた。今回の本手術法を実施した79症例においてその効果は改善率の多い順に述べると次のとおりとなった。\n 恥骨筋部の圧痛消失79例中79例(100%),後肢の開脚角度の増大76例中76例(100%),懸垂姿勢の異常の改善76例中76例(100%),犬座姿勢の異常の改善70例中70例(100%),食欲不振の改善36例中36例100%),脊椎の上方彎曲45例中43例(95.6%),集合姿勢34例中31例(91.2%),便秘15例中13例(86.7%),脊椎部の圧痛4例中3例(75.0%)。\n 以上の結果からも示される通り,小型犬種にみられた恥骨筋の異常症例に対し,恥骨筋切除術を実施した結果では,本手術法が小型犬における恥骨筋の異常に対しきわめて治療効果の高い方法であることが判明した。\n 結論\n 犬において発生する恥骨筋の異常は,現在までの報告では大型犬種にのみ見られ,特に股関節形成不全症との関連において研究が進められていた。著者は,この点に疑問をいだき,小型犬種における恥骨筋の異常に.ついて臨床的な研究を企画し,かつ恥骨筋切除術の適応範囲について検討を加えた。その結果,以下の結論が得られた。\n1. 大型犬種にのみ存在すると考えられていた恥骨筋の異常は,小型犬種においても認められることが確認された。\n2. 小型犬種における恥骨筋の異常では,大型犬種のそれが股関節形成不全症と密接な関係を有するのに対し,75.9%の症例に膝蓋骨脱臼が認められ,小型犬種では膝関節との関連が強いことが示唆された。\n3. 小型犬種における恥骨筋の異常ででは,後肢の開脚困難,懸垂姿勢の異常,犬座姿勢の異常,脊椎の上方彎曲がほとんどの症例で認められ,食欲不振や便秘などの消化器症状もかなりの率で出現した。\n4. 股関節形成不全症の治療法として用いられてきた恥骨筋切除術が,小型犬種にみられる恥骨筋の異常に伴う膝蓋骨脱臼に対して極めて有効であり,その他恥骨筋の異常に随伴する諸症状が高率に改善されることを確認した。\n","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_dissertation_number_12":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第171号"}]},"item_10006_version_type_18":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa","subitem_version_type":"AM"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"桑島, 功"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"16491","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"Kuwajima, 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