{"created":"2023-06-19T07:18:10.548566+00:00","id":3330,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"b9649021-82e7-4867-a4ae-34c82151f424"},"_deposit":{"created_by":4,"id":"3330","owners":[4],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3330"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:az.repo.nii.ac.jp:00003330","sets":["370:15:391"]},"author_link":["16481","16459"],"item_10006_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1978-03-13"}]},"item_10006_degree_grantor_9":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"麻布大学"}]}]},"item_10006_degree_name_8":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"獣医学博士"}]},"item_10006_description_7":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"ウズラ条虫Metroliasthes coturnixは,1972年,沢田・船橋らにより発見され,両鱗条虫科DILLEPIDADAE,副子宮亜科Paruterinae,Metroliastes属の3番目の種として命名,報告された。沢田らは,本条虫を新種として簡単に記載するだけにとどまり,その後,本条虫に関する研究は全くみられない。\n そこで,著者は,1973年より1978年までの5年間にわたり,愛知県豊橋市内の一養鶉場よび実験室内において,本条虫の形態・発育・生態および駆除に関して研究を行った。形態に関する研究は,成虫の圧平固定標本による沢田らの内部形態の記載のみであって,その他の点については全く明らかにされていない。著者は,成虫の組織学的観察,成熟擬嚢尾虫の光顕的観察,および成虫の走査型電子顕微鏡による観察を行なった。\n 一方,発育に関する事がらも全く不明であるので,本条虫による感染が認められた養鶉舎内において,そこに生息する数種の昆虫を採取,調査し,その体腔内より擬嚢尾虫を検出した。さらに,それらの昆虫を飼育し,それを使用して感染実験を行ない,六鉤幼虫から成熟擬嚢尾虫となるまでの発育過程を調べ,沢田(1952a.b,53b.c.e,55b),Alicata(1933),Jones(1936),Voge et Heyneman(1958,1960)らの報告している鳥類寄生の他の条虫の発育過程との形態的比較を行った。また,終末宿主小腸内における成熟擬嚢尾虫の脱嚢機転,およびその後の成長を調べ,沢田(1956a),Wardle et Green(1941)らの実験結果と比較した。\n 沢田(1953d.55,渡辺(1951.68)らは,ニワトリの条虫において冬期に低く,秋期に高い寄生率の年間変動があり,この変動の起こる原因は,中間宿主の消長と関係があると述べている。本条虫においても,ニワトリの条虫と同様に,年間の変動がみられるが,その原因には,成虫・中間宿主・終末宿主の三つに関係する要因が考えられるので,それぞれについて調査と実験を行なった。その結果,年間変動の原因を解明することができた。\n さらにBithionolを用いて本条虫の群別駆虫,個体別駆虫および投薬による副作用に関する実験も行った。\n 1)走査電顕の観察によれば,片節の表面の微細構造としては,400-600Åの小孔が多数みられたのみで,他には特別な構造はみられない。頭部の表面にはこの小孔も認められない。\n 2)組織学的に,片節表面はクチクラ層よりなる表皮で覆われ,その下には,三層の筋肉層がみられる。さらに,その内方に子宮,卵巣,精巣,卵黄腺,卵嚢がある。\n 3)4本の排泄管は吸盤の直後で互いに連絡して環状の管となり,さらに体後方に向って走行する。各片節においてこの4本の排泄管から1~2μmの極細小管(滲透圧調節管)が分岐している。\n 4)ウズラ条虫の中間宿主は,ハラジロカツオブシムシDermestes maculatus,トビカツオブシムシD. ater,ガイマイゴミムシダマシAlphitobius diaperinus,コクヌストTenebrnides mauritanics,コメゴミムシダマシT. obscurusの5種の甲虫類である。このうち最も重要なものは,ハラジロカツオブシムシの成虫および幼虫である。\n 5)中間宿主体内における六鉤幼虫の発育日数は温度により差があり,30℃甲虫を飼育した場合,12日間で成熟擬嚢尾虫にまで発育した。\n 6)成熟擬嚢尾虫の脱嚢の要因として,滲透圧が関与していることが明らかになった。\n 7)ウズラ体内において,成熟擬嚢尾虫は感染後7~12日目に成虫となり,老熟片節を排泄する。\n 8)ウズラにおける条虫の寄生率および1羽当たりの寄生数の年間の変動は,結局,ウズラが摂取する擬嚢尾虫数の変動と条虫の死滅によって起こる。\n 摂取する擬嚢幼虫数が減少するのは,中間宿主である昆虫の数の減少(冬期より初春期の越冬期)と,昆虫体内の擬嚢尾虫数の減少(越冬期における擬嚢尾虫の死滅)が主要な要因となっている。これに対し,ウズラに感染する擬嚢尾虫数が増加する原因としては,春期より初秋期の生息昆虫数の増加と,昆虫1匹当たりの擬嚢尾虫数の増加(昆虫の片節摂取数の増加による)があげられる。それとともに,この時期には昆虫の活動性も増大し,ウズラが感染昆虫を捕食する機会が多くなることも,原因の一つであろう。すなわち,昆虫の越冬期である冬期より初春期までは生息昆虫数はきわめて少なく,その擬嚢尾虫寄生率も低く,しかも昆虫がウズラに捕食される機会はほとんどない。また,ウズラ体内の条虫は次第に死滅する。これに反し,春期より初秋の間は多数の昆虫が活動し,昆虫1匹当たりの寄生擬嚢尾虫数が多く,しかもその寄生率も高い。したがって摂取される擬嚢尾虫数は多くなる。\n 9)個体別駆虫試験で,Bithionolを体重当たり50および100mg/Kg投薬した場合,排虫率はそれぞれ62.5,および100%で,完全駆虫率は0および40%であった。また,150および20mg/kg投薬では排虫率はいずれも100%,完全駆虫率はそれぞれ83.3%および100%であった。\n 10)群別駆虫試験においても,個体別駆虫試験とほぼ同様の駆虫効果が得られた。\n 11)投薬後の虫体の排出は大部分が24時間以内に行われた。\n 12)Bithionolの副作用は少なく,水様便がみられる程度であり,それも投薬後72時間までには消失した。したがってBithionolは本条虫の駆虫薬として適当と考えられる。"}]},"item_10006_dissertation_number_12":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第18号"}]},"item_10006_version_type_18":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa","subitem_version_type":"AM"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"内田, 明彦"}],"nameIdentifiers":[{}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"Uchida, Akihiko","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2013-02-28"}],"displaytype":"detail","filename":"diss_dv_kou0018.pdf","filesize":[{"value":"50.4 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