{"created":"2023-06-19T07:18:01.271446+00:00","id":3151,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"7477a26e-ff5c-430e-a398-3a0c7f088d47"},"_deposit":{"created_by":4,"id":"3151","owners":[4],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3151"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:az.repo.nii.ac.jp:00003151","sets":["370:15:391"]},"author_link":["16154"],"item_10006_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2002-03-15"}]},"item_10006_degree_grantor_9":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"麻布大学"}]}]},"item_10006_degree_name_8":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(獣医学)"}]},"item_10006_description_7":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":" 日本国内の淡水域に広く分布するギンブナには、自然界で雌性生殖を行う集団が存在することが知られており、有性生殖を行う集団と同所的に存在する。有性生殖を行う個体は通常の脊椎動物と同様に2倍体であり、雌雄が存在する。一方、雌性生殖を行う個体は3倍体(稀に4倍体)で、雌のみから構成されている。その卵発生の開始に近縁種からの精子の刺激は必要であるものの、遺伝的寄与はなく、この為母個体と遺伝的にクローナルな娘個体を産出することができる。このような雌性生殖ギンブナでは、卵成熟の第一減数分裂を回避して極体を放出しないまま第二減数分裂に進み、さらに受精時に貫入した精子の核膜は崩壊せずに雌性前核とも融合しないことが細胞生物学的研究からわかっている。その結果、3倍体の親と同じ染色体構成を持つ個体が発生する。\n 今回、ギンブナでの雌性生殖システムを分子生物学的な視点から解明するために、雌性生殖における卵成熟過程、および受精後の特徴的な現象を引き起す因子を探る方法として、二つのアプローチを用いた。一つは、脊椎動物の卵成熟過程を制御することがすでに知られている遺伝子をギンブナから単離し、その発現を見ること((1))、もう一つは、雌性生殖するギンブナ(3倍体)と有性生殖するギンブナ(2倍体)の成熟した卵巣内で、異なる発現を示す遺伝子を網羅的に比較すること((2))である。\n (1)まず、脊椎動物において体細胞分裂および減数分裂を制御する遺伝子として、wee1遺伝子に注目した。Wee1タンパク質はMPF(maturation promoting factor, mitosis-promoting factor)を不活性化することにより、体細胞分裂の開始を制御する。また、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞における第一減数分裂期においては、Wee1の欠乏が、第一減数分裂後のDNA複製の抑制に必須であることが知られている。しかしながら、魚類では今までのところwee1遺伝子は単離されておらず、細胞分裂に関してのその発現等も確認されていない。そこで、雌性生殖ギンブナと有性生殖ギンブナにおけるwee1の発現や塩基配列(アミノ酸配列)等に違いが見られるか調べるために、まず卵巣からギンブナwee1遺伝子を単離した。RT-PCR(reverse transcriptase-polymerase chain reaction)法、3'-および5'-RACE(rapid amplification of cDNA ends)法によって3倍体ギンブナ卵巣から得られたwee1の完全長cDNAは、大きさが1,934塩基対(bp)で、526個のアミノ酸残基をコードしていた。そのキナーゼドメインのアミノ酸配列は、アフリカツメガエルWee1と69.9%という高い相同性を示した。得られたwee1 cDNAの塩基配列を基に両端にプライマーを設定し、PCR増幅により2倍体個体からもほぼ全長のwee1 cDNAの配列を得た。雌性生殖ギンブナと有性生殖ギンブナのwee1の塩基配列の違いは、5'-非転写領域に1箇所と3'-非転写領域に3箇所見られたが、タンパク質のアミノ酸配列を変えるような変異はなかった。また、今回得られたギンブナWee1と出芽酵母、ショウジョウバエ、ウニ、アフリカツメガエル、マウス、ヒト等のさまざまな生物のWee1タンパク質のアミノ酸配列を用いた系統樹解析の結果、脊椎動物におけるWee1は、減数分裂型Wee1と、体細胞分裂型Wee1の二つのグループに分かれることが示唆された。この二つのタイプのWee1は、キナーゼドメインの配列はよく保存されているが、アミノ末端の配列において大きく異なっていた。今回得られたギンブナWee1は、アフリカツメガエルの卵巣と卵由来のWee1、および精巣に特異的発現の見られるヒトWee1Bに近縁であり、減数分裂型Wee1であることが示された。また、各種組織に対してRT-PCRを行った結果、ギンブナにおいても体細胞型wee1が存在していることが示唆された。ノーザンハイブリダイゼーション法による解析からは、今回得られた減数分裂型wee1の卵巣での発現量は、有性生殖ギンブナと雌性生殖ギンブナの間で有意な差は見られなかった。雌性生殖におけるwee1遺伝子の発現の関与は不明である。さらに、ギンブナゲノムDNAを鋳型にlong-PCR法を行うことにより、wee1遺伝子領域のほぼ全長を含んだ約6kbpの断片を増幅し、クローニング後、その塩基配列を決定した。その結果、ギンブナwee1遺伝子は、12個のエクソンから構成されており、開始コドンは第2エクソンに存在することが明らかとなった。\n (2)もう一方のアプローチとして、cDNAサブトラクション法により、雌性生殖ギンブナと有性生殖ギンブナの卵巣において特異的に発現している遺伝子の単離を試みた。cDNAサブトラクション法により得られた計334個の組み換えプラスミドクローンについて塩基配列を決定し、クローン同士の相同性、およびデータベース上の既知遺伝子との相同性を解析した。その結果、データベースの既知遺伝子に60bp以上の長さで40%以上の相同性を示したクローンは226個、相同性を示さなかったクローンは108個であった。既知遺伝子に相同性を示した226個のクローンは、複数のクローンがひとつの既知遺伝子に相同性を示すものもあり、計132種類の遺伝子に分類された。また、108個の相同性を示さなかったクローンは、クローン同士で相同性のあるものもあり、計104種類の遺伝子に分類された。このように分類された計236種類の遺伝子の中から、特に、クローン数の多かった遺伝子あるいは細胞周期に関わる既知遺伝子に相同性のあった遺伝子を中心に、あわせて11種類について、RT-PCR法による発現解析を行った。各塩基配列をもとにプライマーを設定し、異なるサイクル数での増幅量を比較した結果、6種類の遺伝子において雌性生殖ギンブナと有性生殖ギンブナで増幅量に差が見られた。この6種類の遺伝子について、RT-PCR法とノーザンハイブリダイゼーション法により、複数個体の雌性生殖ギンブナおよび有性生殖ギンブナの卵巣について発現量を調べた。その結果、雌性生殖ギンブナ卵巣に特徴的に発現している1つの遺伝子(ヒトDOCK-dedicator of cyto-kinesis-180に高い相同性を示す)と有性生殖ギンブナの卵巣に特徴的に発現している2つの遺伝子(ゼブラフィッシュのアポリポプロテインE前駆体タンパク質に相同性の高い遺伝子と未知遺伝子)を同定できた。これらの遺伝子は雌性生殖に関与する遺伝子の有力候補と考えられる。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_dissertation_number_12":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第 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