ログイン
言語:

WEKO3

  • トップ
  • ランキング
To
lat lon distance
To

Field does not validate



インデックスリンク

インデックスツリー

メールアドレスを入力してください。

WEKO

One fine body…

WEKO

One fine body…

アイテム

  1. 学位論文
  2. 獣医学専攻
  3. 博士論文(甲)

家兎の精子および精液形成に対する中枢性制御の実験的研究

https://az.repo.nii.ac.jp/records/3145
https://az.repo.nii.ac.jp/records/3145
8373744a-1038-4cf3-ad19-b43517bd1e9e
名前 / ファイル ライセンス アクション
diss_dv_kou0064.pdf diss_dv_kou0064 (33.9 MB)
diss_dv_kou0064_jab&rev.pdf diss_dv_kou0064_jab&rev (301.0 kB)
diss_dv_kou0064_jab.pdf diss_dv_kou0064_jab (226.7 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2013-01-16
タイトル
タイトル 家兎の精子および精液形成に対する中枢性制御の実験的研究
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ thesis
著者 湯澤, 悦子

× 湯澤, 悦子

湯澤, 悦子

Search repository
抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 雄性側に起因する不妊は、動物およびヒトでかなりの頻度で発生しているが、その原因は明らかなものもあるが、大部分は原因不明の特発性性機能障害である。
 性機能は、間脳-下垂体系から性腺への連鎖反応的なホルモン分泌を中心とした調節系に支配されている。
 雄性機能障害は、原因の明らかな器質異常や遺伝的疾患を除き、ほぼ上記の様な調節機構の失調から障害が発現すると考えられるが、実際には障害の原発部位や障害の起こったメカニズムが不明である場合が殆どで、適切な治療法を決定することは極めて困難な状況にある。
 本研究では、雄性機能を賦活させることを最終的な目標として、内分泌系の性中枢調節部分に対する種々の投薬処置が雄性機能に与える影響について実験観察した。

1、合成発情ホルモン(Hexestrol dibutylate=H4)、または中枢神経遮断剤(フェノチアジン誘導体)を用いた性中枢抑制処置による雄家兎の精液性状の変化
 H4の正常家兎に対する投与では、投与後、個体により1~3ヵ月の間pH値や奇形率の上昇、精液量や生存率の低下など精液性状の悪化が認められた。特に、妊孕性を決定するのに重要な精子濃度は、5億/ml程度のものが0か精液採取不能となった。これは、主にエストロジェン様作用による Negative feedback で性中枢のホルモン分泌が低下あるいは停止したため性腺ホルモンも止まり精子形成が中止されたと考えられる。また、H4投与後2~6日目といったかなり早い時期に奇形精子などが出現することから性腺や副生殖器への直接的な作用も存在すると考えられた。
 一方、フェノチアジン誘導体による中枢神経遮断処置では、精液性状のうち活力が処置前[トリプルプラス]80以上のところ[トリプルプラス]20~60に低下し、その状態が約1年4ヵ月続いた個体があったが、変化の認められない個体もあり、H4程には劇的な反応は起こらなかった。比較的視床下部に強く作用する薬剤であったので、性中枢への影響は多少あったのではないかと推察されるが、下位器官における雄性機能への反応は不明確なものであった。
 この様に、H4およびフェノチアジン誘導体を用いた性中枢抑制実験では、特にH4で性中枢の抑制が雄性機能に影響を及ぼし、精液性状の変化という形で現れることがわかった。また、H4による抑制は可逆的な反応であり、生体の代償的な作用を利用した負担の少ない方法であることから、雄性機能低下モデル作成に適しており、モデル動物が今後の実験に利用できる可能性があると思われ一つの成果が得られた。

2、H4を用いた性中枢抑制処置に対する作用発現阻止法の検討
 性中枢抑制を目的としたH4投与により雄性機能抑制が可能であったことから、この様な作用を阻止することができれば雄性不妊の内分泌機構の解明、あるいはその治療に繋がるのではないかと考え、H4の作用を阻止する方法を模索した。
 まず、先に用いたフェノチアジン誘導体で中枢の情報伝達を遮断させたところへH4を投与した結果、投与後半月から1ヵ月目でH4のみ投与した場合と同程度に精液性状は悪化し、H4の作用は阻止できなかった。
 ついで、体内消失時間の短い天然エストロジェン(E2)を投与し、その後H4を投与し競合させたところ、やはり精液性状の悪化が認められた。ただし、この場合H4の投与量を約1/3に減量しており、性状悪化開始時期は今までと同様であったが、回復は早く、長い個体でも3ヵ月で元の状態に戻った。
 この様に、性中枢抑制の阻止では期待したような成績は得られず、先のH4の抑制を解くことはできなかった。

3、雄性機能診断方法の検討
 精液性状の他に、雄性機能を反映するような生体反応として、間脳の状態を迅速かつ正確に知る方法が望まれる。そこでブドウ糖2重負荷試験と末梢血中LHと7値の測定を試みた。
 ブドウ糖2重負荷試験では、精液性状が正常で、雄性機能に異常の認められない個体4いて、間脳異常の血糖値パターンを示したり、精液性状不良家兎で、2度の実施で間脳の正常と異常の両パターンを示した。この様に不正確な結果が得られたことから、間脳機能を知る方法として現段階では不適と考えられた。
 一方、LH値とT値の測定では、LH値は測定不能であったものの、T値はRIA法で測定された。また、LH-RH 負荷20分後には高いもので元の値の約40倍の上昇を見せたことから、間脳の変化が迅速に現れ、かつ内分泌の連鎖反応が正常に働いていることも推測できる方法と考えられた。ただし、日内変動のある可能性もあり、間脳に対する負荷処置後すぐに測定する場合以外は、補助的な参考値として理解すべきと考えられた。

4、中枢神経刺激剤(ニケタミド)の投与による雄性機能の変化の観察
 性中枢抑制処置により精液性状の悪化が認められたことから、次に中枢神経刺激処置による雄性機能の変化を観察した。
 中枢神経刺激剤にはニケタミドを用い、自然発生例の精子減少症あるいは精液性状が比絞的劣る家兎に対して投与実験を行なった。
 その結果、血中T値の上昇と精液性状の一時的な回復の認められた個体があった。例えば、精子濃度が低く、平均0.11(億/ml)のものが、ニケタミド投与後69日目には約18倍の1.97(億/ml)となった個体や、活力が[トリプルプラス]10~40のところ、ニケタミド投与後30日目からは[トリプルプラス]60~70となった個体があった。
 しかし、本刺激実験では実験家兎数が延べ5羽と少なかったことから、ニケタミドの効果をより明らかにすべく実験例を増やす必要が感じられた。

5、H4投与による性中枢抑制家兎に対する中枢刺激剤(ニケタミド)投与の影響
 自然発生例の雄性機能障害家兎が入手困難なため、前述のH4投与による雄性機能悪化家兎を用いてニケタミドによる中枢神経刺激実験を行なった。
 H4とニケタミドの複合投与実験として、H4の投与量を基本量(0.4mg/kg)、基本量の1/2(0.2mg/kg)、同約1/3(0.125mg/kg)の3群に分け、それぞれに対しニケタミドを3回(250mg/回)投与した。
 その結果、H4投与量の一番少ない群(約1/3量)で、ニケタミドを投与した個体で、未投与の対照個体に比べ精液性状の悪化が軽いか、全く悪化しなかった。また、血中T値もニケタミド投与個体で低下しないか、しても回復の早い個体が多かった。
 一方、H4投与量が基本量とその1/2量の群ではH4のみ投与した対照個体と全てにおいて大差無かった。
 また、H4投与後10日目の組織像は、精細管腔の狭小化や精細胞間の疎化などの変化が認められ、それらの変化はH4の投与量が増加するにつれて悪化する傾向にあった。またニケタミドを投与した個体と未投与の個体とで大差なかった。
 なお、精液性状の悪化が約1ヵ月目から出現したことと組織の障害の程度を考え合わせると、精巣内での造精障害の結果が1ヵ月目の精液性状悪化に繋がる前に、おそらく精巣上体や輸精管中の精子の環境因子が精子保持に不適当な状況となり、それらの変化が精液性状に反映し、その後で精巣内の障害が現れたと考えられた。
 これらの結果から、H4の作用が予想以上に強力で、ニケタミドの作用を確認するにはH4とニケタミドの量的関係や、投与の時間的タイミングなどの条件を設定し直す必要のあることが分かり、また、生体を用いた実験であることから薬剤の作用部位での受入態勢などの複雑な要素も考慮しなければならないと考えられた。

 以上本実験結果から、合成エストロジェンであるH4を用いた選択的な性中枢抑制処置は、正常雄家兎に対し精液性状の悪化を招き、その抑制の程度および期間は投与量に依存し、かつ過逆的な反応であることがわかり、一方、ニケタミドによる中枢神経刺激処置では、自然発生例の雄性機能悪化家兎において、精液性状の改善に一部役立つような結果が得られた。
 また、H4による性中枢抑制家兎に対するニケタミドの効果は、投与条件を変えるなど実験方法に改善の余地があり、現段階では不明であった。
 このように性中枢への投与処置は、抑制の場合はその目的を達成することができたが、刺激処置ではその効果は不明瞭で、今後、雄性機能賦活を目的とした刺激処置について、より深く検討する余地が存在した。
学位名
学位名 博士(獣医学)
学位授与機関
学位授与機関名 麻布大学
学位授与年月日
学位授与年月日 1994-09-29
学位授与番号
学位授与番号 甲第 64号
著者版フラグ
出版タイプ AM
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa
戻る
0
views
See details
Views

Versions

Ver.1 2023-06-19 08:17:38.556465
Show All versions

Share

Mendeley Twitter Facebook Print Addthis

Cite as

エクスポート

OAI-PMH
  • OAI-PMH JPCOAR 2.0
  • OAI-PMH JPCOAR 1.0
  • OAI-PMH DublinCore
  • OAI-PMH DDI
Other Formats
  • JSON
  • BIBTEX

Confirm


Powered by WEKO3


Powered by WEKO3