{"created":"2023-06-19T07:18:00.930621+00:00","id":3143,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"d9a0f7b4-980f-4cc9-ba99-645794aed8f4"},"_deposit":{"created_by":4,"id":"3143","owners":[4],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3143"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:az.repo.nii.ac.jp:00003143","sets":["17:256:352","370:15:391"]},"author_link":["16144"],"item_10006_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1976-03-15"}]},"item_10006_degree_grantor_9":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"麻布大学"}]}]},"item_10006_degree_name_8":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"獣医学博士"}]},"item_10006_description_7":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"近年繁殖生理学領域における研究はめざましく、そのなかで卵巣は雌性性機能の中心として重要な意義をもつことはいうまでもなく、従ってこれに関する種々な研究が次々に報告されてきているが、現在なお卵巣機能の全てが解明されたわけではない。\n 卵巣には卵胞の発育、成熟、排卵、黄体形成などの形態的な変化とステロイドホルモン生成の2つの大きな機能があり、これら2つは下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンを介して密接に関係しあっている。\n 卵巣は下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンによって、その機能が支配されていることに異論はない。しかしながら卵胞の発育、すなわち発育に伴う卵胞液の増加がいかなる機構によるものか、さらに卵胞液の性状の詳細について不明な点が多いのが現状である。\n そこで卵胞液の性状、卵胞液の生成について、卵胞の発育に伴う卵胞壁、卵胞液の変化、卵胞液の精子に及ぼす影響、卵胞液の雌ラットの繁殖生理に及ぼす影響などを目的とし、今後臨床繁殖学領域への応用を考え主題の研究を行った。\n なお、本研究に供した動物はホルスタイン種の経産牛で、卵胞液、血液は生体及び屠体より採取し、卵胞の大きさ、卵胞液の色調、透明度、蛋白質濃度(以下T.P.と略す)蛋白分画、免疫電気泳動的解析、尿素態窒素濃度(以下U.N.と略す)、酸性ムコ多糖体濃度(以下AMPと略す)とその種類及びNa、K、Mg、イオン濃度、卵胞壁の組識像である。血液については、血清中のT.P.、蛋白分画、免疫電気泳動的解析、U.N, A.M.P.、及びNa、K、Mgイオン濃度などを測定した。\n 1. 卵胞液諸性状について(特に血清との比較並びに検査項目間の相互の関連性について\n 卵胞液の色調及び透明度は、大部分のものが淡黄白色~淡黄色、透明であったが、一部無色の卵胞液が存在し、他の色調の卵胞液に比べて各成分に差が認められた。\n 卵胞液中のT.P.は血清中のそれより低く、両者間に有意な正の相関関係が認められた。\n セ・アセテート膜法により卵胞液を泳動した結果、アルブミン分画に相当する位置に血清の電気泳動像にはみられない特異的な泳動像が認められた。そこで、この特異的な泳動像がいかなる原因によるものか検討する為、いくつかの前処理を行い、電気泳動をこころみた。その結果、卵胞液をヒアルロニダーゼで処理することにより、アルブミン分画に相当する部分の特異的な泳動像の改善が認められ、この特異的な泳動像は卵胞液中のAMPとアルブミンの結合に起因しているものと考えられる。さらにアルブミン分画に相当する部分の特異的な泳動像の形状をA, B, C, D, E, の5型に分け、各型について卵胞液中の成分を検討した結果、各型の間に有意差が認められ、卵胞液の特異的な泳動像の各型はなんらかの卵胞の性質を現わしていると考えられる。\n 免疫電気泳動的解析の結果、卵胞液中に、血清中では検出されなかったある種の蛋白質が認められた。また卵胞の大きさ18.1㎜以上の卵胞液中及び血清中に、卵胞の大きさ18.0mm以下の各区分の卵胞液では検出されなかったα_2-マクログロブリン、IgMが認められた。\n 卵胞液中のU.N.は血清中のそれより低く、両者間に有意な正の相関関係が認められた。\n 電気泳動法を用いた卵胞液中のA.M.P.を分離、定性した結果、コンドロイチン硫酸A及びヘパラン硫酸の2種類のA.M.P.が検出されたが、血清中ではA.M.P.は検出されなかった。そこで卵胞液中でかなり多量のA.M.P.が検出された点、卵胞液中のA.M.P.の生成は卵胞壁細胞によるものであると考え、卵胞より採取した顆粒膜細胞の細胞培養を行い、その培養ろ液からA.M.P.の検出を行ったが著者の行った方法では検出できなかった。\n 卵胞液中Na濃度は血清中のそれより低く、卵胞の大きさ13.1~18.0mm、18.1㎜以上の区分で、両者間にわずかではあるが有意な正の相関関係が認められた。\n 卵胞液中K濃度は血清中それより高い値を示すことが認められた。\n 卵胞液中Mg濃度は血清中のそれより高く、卵胞の大きさ8.0㎜以下、18.1mm以上の区分で、両者間にわずかではあるが有意な正の相関関係が認められた。\n 卵胞液中K/Naは血清中のそれより高い値を示すことが認められた。\n 2. 卵胞の大きさと卵胞液諸性状について\n 卵胞の大きさが大きくなるに伴い、卵胞液の着色度が強くなる傾向が認められた。\n さらに卵胞の大きさが大きくなるに伴い、卵胞液中のA.M.P.、コンドロイチン硫酸濃度(以下Ch.-Aと略す)、ヘパラン硫酸濃度(以下H.S.と略す)、H.S./Ch-A, K濃度、Mg濃度、K/Naの低下する傾向が認められた。しかしNa濃度はわずかではあるが増加する傾向が認められた。\n なお卵胞の大きさと卵胞液中のT.P., U.N., の間には特別な関係が認められなかった。\n 3. 卵胞壁について\n 成熟過程にあると思われる直径13.1~18.0mmのものの顆粒膜層と、内葵膜層の境界、とくに内葵膜の表層に近い部分の毛細血管の発達と充血が他の大きさの卵胞より著明なこと、直径18.1㎜以上の卵胞壁は菲薄で退行変化が著しいもの等が特徴的であった。なお、正体不明な黒色顆粒が、ある2. 3の卵胞中に認められたが、これについては、いまのところ不明である。\n 4. 卵胞嚢腫牛について\n 野外において、臨床上卵胞嚢腫と診断されたホルスタイン種の経産牛の卵胞液について、材料を採取し、血清とあわせて検査を行った。なお、これらの卵胞は当然のことであるが直径18.1㎜以上のものである。\n  A 卵胞液諸性状について(特に血清との比較)\n 卵胞液中のT.P.は血清中のそれより低く、両者間に有意な正の相関関係が認められた。\n セ・アセテート膜法により、セパラックスを用い血清及び卵胞液の電気泳動を行った。その際、卵胞液については、前述のごとく卵胞液中にヒアルロニダーゼを加え、アルブミン分画に相当する部分の特異的な泳動像の改善をはかり蛋白分画比を算出した結果、卵胞液中のアルブミン、β-グロブリン、A/Gは血清中のそれより高いことが認められたが、卵胞液中のα-グロブリンは血清中のそれより低いことが認められた。\n 血清と卵胞液の各蛋白分画値について、それぞれ相関関係を検討した結果、アルブミン、γ-グロブリンに有意な正の相関関係が認められた。しかし、α-グロプリン、β-グロブリン、A/Gについては、有意な相関関係が認められなかった。\n 卵胞液中のU.N.と血清中のそれの間に、有意な正の相関関係が認められた。\n 卵胞液中のNa濃度は血清中のそれより低いことが認められた。\n K濃度については特別な関係は認められなかった。\n 卵胞液中のMg濃度は、血清中のそれより低く、両者間に有意な正の相関関係が認められた。\n 卵胞液中のK/Naは血清中のそれより低いことが認められた。\n  B 子宮頸管粘液性状と卵胞液諸性状について\n 子宮頸管粘液pH及び結晶型と卵胞液性状との関連性は、著明な点は認められなかったが、一部何らかの関連性のある面も示唆された。\n 5. in vitro における牛卵胞液の精子運動性に及ぼす影響について\n 卵胞液、血清については前述のとおりである。精液は麻布獣医科大学飼養中のジャージー種から、人工膣法で採取し、一般性状に異常のないことを確認の上、精子浮遊液を作製し実験に供した。\n 小試験管に0.5mlの卵胞液を入れ、毛細ピペットで1滴精子浮遊液を添加、軽く攪拌し、室温(15℃)に静置、経時的にその少量をスライドグラス上に滴下し、加温装置上で鏡検し、精子生存率、活力、凝集状態を観察し、グルコチトラート液0.5mlに精子浮遊液を同様操作したものと対比した。なお、血清についても同様操作を行った。\n 精子生存状態、活力、凝集に対し、卵胞液によりかなり差のあることが認められ、精子凝集の程度の大きくなるに伴い卵胞液中のT.P.も高くなる傾向が認められた。\n 6. 牛血清中抗体の卵胞液内移行について\n 血清中の成分の卵胞液内移行の有無を目的とし、Brucella死菌で免疫した牛の血清及び卵胞液の凝集液を観察した。その結果、菌体抗体は比較的容易に血清中から卵胞液中に移行することが認められた。\n 7. 牛卵胞液のラット性周期、妊娠などに及ぼす影響について\n 卵胞液中にはいろいろな成分が存在し、それらの成分は卵胞の発育に伴い変化をすることが認められた点、また受精現象が成立する際の卵胞液の役割の重要性を考え、牛卵胞液のラット繁殖生理に及ぼす影響について観察を行ったが、特別な変化は認められなかった。\n\n 結語\n 卵胞液の成分は血清に由来するものがかなりあるが、その濃度は卵胞自身の機能によっても影響されることが示唆された。\n"}]},"item_10006_dissertation_number_12":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第 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