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アイテム
ICRマウス【Crl;CD-1(ICR)、Crlj;CD-1(ICR)】のアミロイドーシスの種類の同定、およびSAA1とSAA2のコピー数変異(CNVs)の解析
https://az.repo.nii.ac.jp/records/2000434
https://az.repo.nii.ac.jp/records/2000434dde95c90-e4e0-4208-84e9-0a4216754d7d
| 名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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| Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||
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| 公開日 | 2025-07-31 | |||||||
| タイトル | ||||||||
| タイトル | ICRマウス【Crl;CD-1(ICR)、Crlj;CD-1(ICR)】のアミロイドーシスの種類の同定、およびSAA1とSAA2のコピー数変異(CNVs)の解析 | |||||||
| 言語 | ja | |||||||
| タイトル | ||||||||
| タイトル | Identification of Amyloidosis in ICR Mice [Crl;CD-1(ICR), Crlj;CD-1(ICR)]; Analysis of Copy Number Variations (CNVs) in SAA1 and SAA2 | |||||||
| 言語 | en | |||||||
| 言語 | ||||||||
| 言語 | jpn | |||||||
| 資源タイプ | ||||||||
| 資源タイプ | doctoral thesis | |||||||
| アクセス権 | ||||||||
| アクセス権 | open access | |||||||
| アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||
| 著者 |
水川, 真緒
× 水川, 真緒
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| 抄録 | ||||||||
| 内容記述タイプ | Abstract | |||||||
| 内容記述 | 第1章 緒言 アミロイドーシスは、クロスβシート構造からなる線維状の不溶性タンパク質であるアミロイドが、細胞外に沈着することで沈着臓器に機能障害を起こす疾患である。アミロイドーシスは、原因となる前駆タンパク質の種類によって分類され、ヒトでは43種の報告がある。 医薬品や化学物質のがん原性試験では、ICRマウス【Crl;CD-1(ICR)、Crlj;CD-1(ICR)】で自然発生性のアミロイドーシスが知られ、がん原性試験で使用される他のマウス系統B6C3F1マウス(C57BL6とC3Hマウスを親系統とするF1マウス)よりも発生頻度が高いと報告がある。しかし毒性試験の中では、ICRマウスのアミロイドーシスはHE染色のみで診断され、その種類は同定されていない。 そこで毒性試験のICRマウスに高頻度に発生する自然発生性アミロイドーシスについて、種類と前駆タンパク質の同定を目的として研究に取り組んだ。またICRマウスでは、前駆タンパク質のアミノ酸配列やコードする遺伝子配列について発症に関与する特徴があるかを検索した。加えてマウスの系統間で発生頻度の差が報告されることから、この発生頻度の差が何に起因するかを研究する目的で、ICRマウスのアミロイドーシス発症個体と非発症個体およびその他のマウス系統について、ゲノムDNA上で前駆タンパク質をコードする遺伝子のコピー数変異(CNVs, Copy number variations)を解析した。 第2章:ICRマウスの自然発生性アミロイドーシスの精査、種類の同定 本章では毒性試験のICRマウスで、HE染色によりアミロイドーシスと診断されている病変が、病理組織学的、超微形態学的にもアミロイドかを確認した。またアミロイドーシスの種類を同定するために免疫組織学的に検索した。 受託施設にてHE染色標本よりアミロイドーシスと診断されたICRマウスのFFPE標本またはホルマリン浸漬標本を使用し、病理組織検査(HE染色、DFS染色)と超微形態学的検索(透過型電子顕微鏡観察)によって沈着物がアミロイドかを確認した。DFS染色陽性だった個体について抗マウス血清アミロイドA(SAA1/2)抗体を使用して免疫染色を実施した。 結果、HE染色では複数臓器で弱好酸性均一無構造物(アミロイド様物質)の細胞外への沈着が認められた。これらはDFS染色に陽性を示し、電子顕微鏡下では幅約10 nmの分岐のない線維の束として観察された。また免疫組織学的検索では、沈着物は抗マウスSAA1/2抗体に陽性であった。 以上の結果より、毒性試験のICRマウスでみられるアミロイド様物質は、病理組織、超微形態学的にもアミロイドの定義と一致していると確認され、アミロイドの種類はSAAを前駆タンパク質とするAAアミロイドーシスであると示された。ヒトや他の動物では、AAアミロイドーシスは炎症に起因して二次的に起こることが知られている。本研究で解析したICRマウスでは、アミロイドーシスの他に表皮潰瘍などの炎症性病変がみられていたため、ICRマウスにおいても炎症性病変がAAアミロイドーシスの発症に関与していると考えられた。 第3章:アミロイドーシス発症ICRマウスにおけるアミロイド前駆タンパク質の同定 本章では、前駆タンパク質の同定を目的として、ICRマウスのアミロイドーシス発症個体のアミロイド沈着臓器からタンパク質を抽出し、質量分析により解析した。加えてICRマウスのアミロイドーシスの特徴を明らかにするために、アミロイド共通構成タンパク質(共沈着タンパク質)の検索と、前駆タンパク質のアミノ酸配列に変異がないかにを検索した。また非発症ICRマウスの凍結肝臓を用いてRT-PCRにより前駆タンパク質をコードする遺伝子配列について確認した。 質量分析の結果、ICRマウスのアミロイド沈着臓器から、SAA1とSAA2のそれぞれに特異的なペプチド断片が検出された。沈着SAA1とSAA2のイオン強度、およびタンパク質全長に対する検出されたペプチドのカバー率は、SAA2の方が高かった。アミロイド発症個体と非発症個体からの検出タンパク質の比較では、SAA1とSAA2を含む78種のタンパク質が発症個体からのみ検出された。アミロイド発症個体から検出されたSAA1とSAA2のアミノ酸配列は、マウス既知配列と一致しており、変異はみつからなかった。また非発症ICRマウスのRT-PCRより得られた遺伝子配列からの予測アミノ酸配列は、既知のマウスのSAA1とSAA2のアミノ酸配列の情報と一致していた。 以上の結果より、ICRマウスのAAアミロイドーシスの前駆タンパク質はSAA1とSAA2と同定された。また沈着ペプチドのイオン強度や、ペプチドのカバー率の結果からICRマウスのアミロイドはSAAファミリーのうちSAA2を主体に構成されており、SAA1はそこに巻き込まれていると考えられた。またAAアミロイドーシス発症ICRマウスのアミロイド沈着臓器では、ヒトやその他の動物でも共沈着すると報告があるタンパク質(ビトロネクチン、SAP、ApoE)が検出され、ICRマウスのAAアミロイドーシスにおいてもこれらが共通構成タンパク質であることが示唆された。ICRマウスの発症個体で得られたSAA1とSAA2のアミノ酸配列は、既知のマウスのSAA1とSAA2のアミノ酸配列と一致しており、ICRマウスでアミロイドーシス発生率が他マウス種よりも多い理由は前駆タンパク質のアミノ酸配列の違いによるものではないと推察された。 第4章:ICRマウスのアミロイド前駆タンパク質(SAA1、2)をコードする遺伝子のコピー数変異(CNVs)の解析 本章では前駆タンパク質であるSAA1とSAA2をコードするゲノムDNA上におけるコピー数がICRマウスのアミロイドーシス発症に関与すると仮説を立てた。仮説検証のためにICRマウスのアミロイドーシス発症または非発症個体、およびその他のマウス系統(C57/BL6J、C3H/HeN、BALB/c、DDY)のFFPE標本(肝臓または肝臓、腎臓、脾臓を含む)からgDNAを抽出し、リアルタイムPCRの比較定量法によりコピー数変異(CNVs)を解析した。 ゲノムDNA上のSAA1とSAA2のコピー数の解析の結果、非発症のICRマウスのSAA1とSAA2のコピー数には、個体毎にばらつきがみられた。またアミロイドーシス発症個体(SAA1:約3-4、SAA2:約4-5)では、非発症個体(SAA1:約1-4、SAA2:約1-5)よりもコピー数が高い傾向がみられた。他の系統については、B6C3F1マウスの親系統にあたるC57BL/6では、SAA1は約3-4、SAA2は約3-4となり、C3Hマウスでは、SAA1は約0-1、SAA2は約0-1であった。BALB/cマウスでは、SAA1は約3-4、SAA2は約3、DDYマウスではSAA1は約3-4、SAA2は約3であった。系統間で比較した結果、C3HマウスではSAA1とSAA2のコピー数は、ICRマウスの発症個体よりも低かった。 ICRマウスでは、ゲノムDNA上のSAA1とSAA2のコピー数にCNVsがみられた。発症個体では、非発症個体よりもコピー数が高い傾向がみられ、発症個体ではSAA1とSAA2のコピー数が倍数体になっている可能性が示唆された。ゲノムDNA上のSAA1とSAA2のコピー数が多い個体ほど、SAA1とSAA2の転写、翻訳量が多く血清中のSAA濃度が高くなると推察された。また血清中のSAA濃度が高いことはアミロイド形成やアミロイドーシス発症に寄与すると報告がある。よってコピー数が多い個体ほどAAアミロイドーシスを発症しやすいと考えられた。加えてマウス系統間の比較では、ゲノムDNA上のSAA1とSAA2のコピー数の増加が、ICRマウスにおけるAAアミロイドーシスの高発生率と、B6C3F1マウス(C57/BL6とC3HマウスのF1)におけるアミロイドーシスの低発生率に寄与している可能性が示唆された。AAアミロイドーシスとCNVsとの関連をより理解するためには、ICRマウスでSAA1、2のコピー数が高い個体では、正常時または慢性炎症条件下でSAA1およびSAA2の血清中濃度が高いことやコピー数が高い個体ほどAAアミロイドーシスをより発症しやすいかを確認することが重要であると考える。 第5章:総括 本研究により、毒性試験のICRマウスで自然発生性に認められるアミロイドーシスの種類は、SAA2とSAA1を前駆タンパク質とするAAアミロイドーシスであると同定された。ICRマウスにおいて前駆タンパク質であるSAA1とSAA2のアミノ酸配列は、既知のマウスのSAA1とSAA2の配列に対して変異は認められなかった。CNVs解析では、ICRマウスにおいてゲノムDNA上のSAA1とSAA2のコピー数にばらつきがみられ発症個体ほど、コピー数は高い傾向があった。系統間の比較ではC3Hマウスでは、コピー数は低かった。よってICRマウスのAAアミロイドーシスの発症には、ゲノムDNA上のSAA1とSAA2のCNVsが関与しており、SAA1とSAA2のコピー数がICRマウスでのAAアミロイドーシスの高発生率と、B6C3F1マウスにおける低発生率に寄与している可能性が示唆された。 ヒトやその他の動物種においても、AAアミロイドの前駆タンパク質であるSAAをコードする遺伝子について、CNVsを評価することはAAアミロイドーシスのさらなる病態解明に貢献することが期待される。 |
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| 言語 | ja | |||||||
| Abstract | ||||||||
| 内容記述タイプ | Abstract | |||||||
| 内容記述 | Amyloidosis characterized by the extracellular deposition of insoluble protein fibrils that cause cellular damage and dysfunction in organs and tissues. Multiple types of amyloidosis and the causative precursor proteins have been identified in humans and animals. In carcinogenicity studies, a high incidence of spontaneous amyloidosis was reported to occur in CD-1 mice; but the precursor protein responsible for this amyloidosis was unclear. Meanwhile B6C3F1 mice have a low incidence of amyloidosis. This study aimed to identify the types of amyloidosis and the causative precursor proteins in CD-1 mice and investigate the role of Copy Number Variations (CNVs) in the genes encoding the precursor protein among different mouse strain. Histopathological examination revealed amyloid in multiple organs that was confirmed by Direct Fast Scarlet (DFS) staining and TEM. Immunohistochemistry and LC-MS/MS analysis revealed that the deposition was derived from Serum Amyloid A (SAA) 1 and 2, suggesting that these CD-1 mice have AA amyloidosis. No mutation of SAA1 and SAA2 amino acid sequence was detected from the LC-MS/MS analysis. In addition, RT-PCR was performed to confirm the sequence of messenger RNA of SAA1 and 2. Messenger RNA was extracted from frozen liver of the non-amyloidosis CD-1 mice. The sequence of SAA1 and 2 were consistent with the previous report. Genomic DNA was extracted from FFPE tissues of CD-1 mice with and without amyloidosis, and other mouse strain (C57BL6, C3H/He, BALB/c, DDY) to use CNV assay. CNV assays were demonstrated that CD-1 mice have a CNVs of SAA1 and 2 gene, and the copy number tend to be higher in CD-1 mice with amyloidosis compared to the CD-1 mice without amyloidosis. In addition, the higher copy numbers for SAA1 and SAA2 in CD-1 mice with amyloidosis compared to C3H/He mice (the parent strains of B6C3F1 mice), which had lower copy numbers of these genes. These findings suggest that high copy numbers of SAA1 and SAA2 may contribute to the high incidence of AA amyloidosis in CD-1 mice. This study revealed spontaneous amyloidosis seen in CD-1 mice is AA amyloidosis. In addition, this study revealed the correlation between SAA1 and SAA2 CNVs in the pathogenesis of the disease and the genetic factors influencing amyloidosis. Assessing CNVs of SAA gene in humans and animals may contribute to a better understanding of the pathogenesis of AA amyloidosis. |
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| 言語 | en | |||||||
| 学位名 | ||||||||
| 学位名 | 博士(獣医学) | |||||||
| 学位授与機関 | ||||||||
| 学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||
| 学位授与機関識別子 | 32701 | |||||||
| 学位授与機関名 | 麻布大学 | |||||||
| 学位授与年月日 | ||||||||
| 学位授与年月日 | 2025-03-13 | |||||||
| 学位授与番号 | ||||||||
| 学位授与番号 | 甲第185号 | |||||||
| Rights | ||||||||
| 値 | 本論文の一部は以下に公表した. Mizukawa M,Tanaka K , Kashimura A,Uchida Y, Shiga T,Aihara N, and Kamiie Identification and Characterization of Spontaneous AA Amyloidosis in CD-1 Mice Used in Toxicity Studies: Implications of SAA1 and SAA2 Copy Number Variations. J Toxicol Pathol.38.69-82.2025. https://doi.org/10.1293/tox.2024-0070 |
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| 著者版フラグ | ||||||||
| 出版タイプ | VoR | |||||||
| 出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||